見出し画像

【ローカル】神デニムリペア職人 須藤英雄さんにインタビューしてみた #デニムリペア函館


 デニムリペアとデニムリメイクの違い、ご存じですか?

 デニムリペアとは、破れてしまったり、生地が薄くなってしまったデニムを使える状態に戻すことです。デニムのダメージを生かして、穴を補修する、破れを補修することがリペアと考えて良いと思います。

 リメイクとは、もとのデニムにデザインを加えて、新しい商品にすることです。もとのものと違う商品にして販売することをリメイク品といいます。

 リストアという言葉もあります。劣化してしまったビンテージモデルなどを修復、復元させるのがリストアです。長年使い続けてきたものを一度解体して、きれいにすることがリストアであると考えてよさそうです。

 気に入ったジーンズを長く履こうとすると、穴あきやすり切れが気になってきます。
「捨てたくないけど、どうすればいいんだろう?」悩みながらも、長年放置してしまっているデニムはありませんか?

 私も気に入って購入したデニムを何とかしたくて、セルフリメイクに挑戦してみました。が、やっぱりプロの手も入れて欲しい・・・

 そう思ったときに探すのは、デニムリペアショップ。

 最近は珍しくありませんが、2008年創業の老舗リペアショップが函館にあるのです。

 地方都市で広告も宣伝もせずに営業しているのに、全国から依頼が殺到しているデニムリペア函館。
 現在は、納品まで2~3ヶ月待ちという人気店。

 リペア一筋40年という店長の須藤英雄さんに、お話しをうかがいました。


函館市湯川にある店舗 「デニムリペア函館」


ーー このお店ができるまでを教えて下さい。

「生まれは函館、5年ほど埼玉にいて、こっちに戻ってこようとしていたとき、新しいジーンズショップをつくるから来ないかって、オーナーに声をかけられたんだ。日本一の店をつくるって、若いのが集まって、そりゃ勢いのある店だったよ。とにかく、面白かった。」


須藤英雄さん

オーナーと共に新しいジーンズショップを立ち上げ、初代店長についた須藤さん。バリバリのリーゼント、革ジャン、ジーンズで、それはそれはかっこよかった。
街中の中高生が、憧れる店に。
商品を入れる紙袋を持ち歩くことが、函館の若者にとってステータスになった時代。


若かりし頃の須藤店長と ダイナマイトヒロヤのショッパー 伝説です


商売がどんどん軌道に乗り、一時は北海道から九州まで出店を重ねたのですが、規模が大きくなり、ジーンズショップ自体をオーナーが他の企業に譲ることに。

その後須藤さんは、ジーンズから離れた仕事をします。独立して商売を始めたのは、なんと花屋さんだった。


今でも フラワーショップの店名が残っています

ーー「フローラルマーケット ブルームーン」とジーンズリペア、二刀流になったのはどんな経緯で?

「ジーンズショップを辞めてから、100円ショップの店長をしていたんだけど、その店が無くなるときに商品の一つだった花の販売をすることにしたんだ。最初は花屋からスタートしたんだけど、知り合いからジーンズの補修を頼まれることが多くなって、そちらも看板をあげることにしたんです。」

ーーー 今も二刀流?

「花の方は、このコロナがあって売り上げが思わしくなかったことと、配達なんかもやっていたから時間的にも体力的にもきつくなってきたね。
今は、ジーンズのリペアに集中してやっているよ。」

ーー 店の内装も50’sのアメリカンな雰囲気ですてきですね。

「俺が憧れたのは、50’sのアメリカ。日本だと、クールス。 原宿にも行ったよ。いまだに、50年代の洋楽、映画は大好きだね。
俺のSNSは、当時の洋画や音楽ばっかりをあげてるけど、それがきっかけで海外の人にも知り合いができたよ。」

「店の内装は、全部自分でつくってる。この建物は、かなり前に靴屋をしていた方から譲り受けて、今の店になってる。せまいけど、ミシンが5台あって、ミシン用の糸は、ここにある以外にもまだ家にたくさんあるよ。」



電車通りに面した作業場 コカコーラ電車がマッチ。


これらの内装も、須藤さんの手によるもの。

ーーー 今まで手がけた貴重なジーンズは?

「まあ、どれもお客さんにとっては大事なジーンズだから。うちは、ユニクロでも、どんなジーンズでも引き受けることにしているよ。リペアを繰り返していくと、愛着も湧くし、何とも言えない味が出て、一つ一つ違ったものになっていきますね。」

「この501なんかは、何回もうちでリペアしてるやつだね。
自分がなおしているから、ここはいつやったリペアだというのがわかるんだ。うちのお客さんは、何本もまとめて送ってきたり、何度も同じジーンズをリペアに出してくれたりしているから、ほとんど覚えているよ。」

一つ一つのジーンズを、お客さんの希望通りにリペアするのはとても難しい。
手作業での丁寧な仕事ぶりが評判を呼び、口コミだけで全国から依頼が舞い込むように。

ビンテージモデルのジーンズは、数十万円~数百万円するものも。マニアにとってはとても大切な一本を、信頼して預けられるのは、須藤さんの確かな腕と誠実な対応があるからだ。

ーーリメイクはされていないんですか?

「一時、やってみたこともあるんだ。ジーンズをスカートにしたりとか。
やってみたけれど、時間も手間もかかるし、自分の性にあわないな。やっぱり、自分はジーンズ屋だったから、ジーンズそのものが好きだし、もともと持っている形を大事にしてリペアをしていきたいね。」

リペアだけではなく、リストアも。
近所の人が持ち込むのは、ジーンズだけではない。洋服のお直しも引き受けているというから驚きである。


今は昔から付き合いのある職人さんと2人で作業を行っているそうだ。

伝説の店のカリスマ店長は、デニムリペアの凄腕職人になっていた。

ジーンズショップ時代の須藤さんに憧れていた人が店を訪れて感激することもあるそう。

「こういう店をやっていると、どんどんおもしろい人が向こうから訪ねてきてくれるの、それが最高に面白い!」

飾らない言葉で、ジーンズ、デニム愛を熱く語る須藤さん。

みんなが憧れたカリスマ店長の面影が感じられる
リーゼントにひげ、履き古したジーンズのスタイルを貫いている。
今でも、ほんと、かっこいいんだな。
これがまさに、Evergreen。

Evergreenとは、常緑、不朽を意味しており
「時を経ても色褪せない魅力」を意味する言葉。

年月を重ねて、さらに高まるデニムの魅力のように、
須藤さんもまた、ステキに経験と年齢を重ねていらっしゃると実感した。

古き良き時代が、憧れになっている今、
ビンテージ品をよみがえらせる確かな腕を持つ職人は
そんなに多くはないはず。

函館の小さなリペアショップ、実は、すごい店だった!

全国のデニムマニアの皆さん!

あきらめかけていたリペア、リストア

デニムリペア函館 神職人須藤さんに、

おまかせあれ!!


ジーンズ修理&洋服直し 『デニムリペア函館』

函館市湯川町2‐24‐17

☎0138-57-8790

営業時間

平日  10:00〜 17:00
祝日  10:00〜 15:30
日曜定休

須藤さんの動画はこちら

#ローカル
#デニムリペア
#デニムリストア
#ビンテージデニム
#花屋
#函館
#ダイナマイトヒロヤ

サポートありがとうございます。頂いたサポートは、地元の小さな本屋さんや、そこを応援する地元のお店をサポートするために、活用させていただきます!