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【本】『母親になって後悔してる』って、言えなかった。

 ナカです。

 今話題の本『母親になって後悔してる』

 読んでよかった。

 私がずっと感じていた「モヤモヤ」を言語化してくれた。


 私は娘2人の母親だ。

 でも、それは すべて「自分の選択」なのか?

 自分が望んで、それで幸せって、言い切れたのか?

 最初の子が生まれてからずっと、私は「ママ友」という付き合いをなるべく避けてきた。

 正直、その付き合いが苦手だった。

 自分の仕事の年賀状には、決して「家族の写真」を載せるようなことはしなかった。

 それは、自分にとって、許しがたい行為だったから。

「子育てママ」という言葉も、嫌いだった。

 「ワーママ」というくくり方をされるのも、大っ嫌いだった。

「子どもや、子育てに関わる集会」も、大の苦手だった。


私は、誰かの「ママ」であることに 納得いかなかった。

「私は私」として、生きたかった。

 ただ、それだけ。


 それって、身勝手な、わがままな 母親なんだろうか?

 子どもは成長していくけれど、「親として」生きることは、自分の意志で辞めることができない。

  それもできるのかもしれないけれど、「社会の目」「世間の目」がそうさせてくれないのだ。

「理想の母親」って、そもそもは、男社会の「理想」なだけ。

「女=母親になるもの」という、画一的な見方はそろそろ辞めて欲しいんだ。

 女=産む性 という事実は変えられないけれど、女性だって、いろいろな生き方があって、選択の自由はあるはずだ。

 少子化を解消するために、婚姻数を増やす、なんてことを言っているけれど、結婚したからといって、必ず子どもを産むなんて、思わないで欲しい。

「子どもを持つ」ということが、こんなにも困難になってしまった理由を、男性本位の社会のみなさんに、本当に考えて欲しいのだ。

学校に関わる「保護者」は、書類に関しては父親、実際に学校での活動に関わるのは母親と、勝手が決まっている。

 最近は、シングルの家庭も多いので、母親が一手にその役割を担っている場合が多い。

「子どもの教育」=「母親の責任」って、いったい誰が決めたの?

 子どもが小さい頃は、「イクメン」とか何とか言われて、喜んでいた父親たちは、そのうち、子育ての舞台からこっそりと立ち去ってしまう。

 精神的に一番しんどい子どもたちの思春期に立ち向かわなければならないのは、母親だ。

 いつから、こんなに子育てがしんどくなってしまったのか。

 こんな状況で、誰も子どもを産もうなんて思えなくなるのは、当たり前だ。

 子育ての嵐を通り抜けた私たち中年世代は、「こんなもんだったよね。」などど言いながら、そのただ中にある若い子育て世代の悩みに、ちゃんと向き合えているだろうか。

 「のど元過ぎれば、熱さ忘れる」なんて、そんな無責任な世代になっていないだろうか。

 「母としての役割を押し付けないで。

  私は一人の人間として、認められたいだけ。」

 仕事も家庭も完璧なワーママになろうなんて世の中の圧に抗ってた私。そんなふうになりたかったわけじゃないんだよ。

 そういう「母親」を量産することが、社会にとってもメリットだったから、私たちには「そうであること」が望まれてきた。言われなくても、わかるよね。

 家事を黙ってこなし、子どもを産み、社会のエッセンシャルワーカーとして安価な労働力となること。

 女性に求められてきた役割。

 そんなの、もう通用しない。

 ずっと抱えてきたワタシ自身のモヤモヤを、次の世代に引き継がせる訳にはいかない。

 この問題を解決しなければ、少子化はいつまでも解決することはないと思う。

 日本の少子化対策に対する「怒り」も、この意識のずれから生じているのだ。

 『母親になって後悔してる』は、母親だけに書かれた本ではない。「子どもに関わるすべての人」に、ぜひ読んでほしい。

 特に、「子育てに関わりきれなかった」男性の皆さん 今更なんて言わないで。

 あの時、パートナーが流した涙の意味が、

 きっと理解できると思うから。


 

 

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