観てきた! 第66回日本伝統工芸展 at 日本橋三越本店
伝統工芸。シブい展示・・・なんかでは全然ないです。伝統と言っていますが、いま、まさに今、同じ時を生きているたくさんの作家が作った生まれたての作品を間近で楽しめる展覧会です。しかも無料で!
◎見に行こうと思ったきっかけは、Eテレ「日曜美術館」19/9/22放送回
番組では、作った作家の工房を訪ねて、制作の様子や受賞作品の創作裏話をお聞きしたりしていて、がぜん実物を見たくなったからです。
私はいつも、どんな人が、何にインスピレーションを受けて、どうやって作ったのか。が気になってしまうので、番組に見入ってしまいました。
◎なんで工芸?
・本当に単純に、美しくて素敵なデザインだから。
特に漆と貝を使った螺鈿:らでんや、有線七宝、截金:きりかねが好きです。ツヤツヤキラキラしてます。また、素材として、ガラスも好きです。
・作品一つひとつの美しさの裏に、脈々と受け継がれてきた素晴らしすぎる手仕事の技術と、四季のうつろいや自然をモチーフにしてきた日本人の感性が見えるから。
・素晴らしい技術を身につけ、さらに高見を目指す「作家」「職人」としての生き様が見えるから。かっこよすぎます。
◎どんな展覧会?
年に一度開催されている「日本伝統工芸展」に出品された作品の中で、各賞を受賞、入選した作品が、下記の分野ごとに一堂に展示される作品展。
・陶芸(茶碗、お皿、お花を生ける花器など)
・染色(着物や帯、和装小物など)
・漆芸:しつげい(漆を使った装飾を施したうつわや入れ物など)
・金工:きんこう(金属で作られたお皿や花器、茶道で使う釜、着物の帯留など。)
・木竹工(木のテーブルやお皿、竹を編んで作られた籠や箱など)
・人形(素材は紙、粘土、木、陶器などなど)
・諸工芸(ガラス、七宝、書道で使う硯も!)
戦後、すっかり消えそうになってしまった工芸技術。それを守り伝えるため、昭和25年に文化財保護法が施行され、歴史上、もしくは芸術上特に価値の高い工芸技術を、国として保護育成することになった歴史があります。
この展覧会は今年で66回目。公益社団法人 日本工芸会が昭和29年から開催していますが、見に行ったのは今回が初めてでした。(昨年も「日曜美術館」で特集されてて観たのですが、すでに行ける会場は終了してたんですよね・・・涙)
◎会場はどんな感じ?
週末のお昼ごろに1時間半ほど滞在しましたが、来場者の年齢層はだいたい50代以上が多かったかなぁ。百貨店内での開催で無料なので、ふら~っと来た方も多かったようです。ふら~っとでもこうやって気軽に広く本物の作品を観られる機会は本当に良いと思います。
作品たちは、仰々しくガラスケースに入ったりしておらず、繊細な竹細工エリアに高さ40~50センチくらいのアクリルのちょっとした囲いがある程度。あとはもう、さえぎるものもなく、さわろうと思えばさわれる距離で、じっと鑑賞できました。これはもう、現代の作品ならでは!
◎まとめ
伝統工芸、って聞いて、何を思い浮かべますか?漆のお椀とか、何とか焼きみたいな器?
工芸って言われると、途端に鑑賞対象の美術品みたいな、遠い存在のように感じる、というか。日常生活にはない。なかなか手にすることはないですよね。観光地にあるお土産とか、百貨店の上層階フロアで扱ってるような贈り物のイメージ?もしも自分でお金出して買おうってなっても、え、一体いくらするの(怖)ってなる、価格相場のよく分からない世界では。
私は今回、足を運んでみて、この気持ち的に遠い存在の感じとか、わからないから手を出しにくいイメージを変えたくなりました。もっと作り手と工芸が未来にずっと続いていけるように、思いっきり外野の人間だけど、何かしたい!特に自分と同世代の、これから!という若手の職人さん・作家さんを後押ししたいと思いました。
なのでまず、ここに書きました。これから半年にわたって全国11か所へ巡回します。ぜひ本物を間近で見てみてください。
※このWEBページでは、作家ごとに過去の作品を一覧で見ることもできる様子。地味に素敵。こういうところ、大事だと思います。
・2019.10.02~ 2019.10.07 名古屋栄三越 7階 催物会場
・2019.10.09~ 2019.10.14 京都髙島屋 7階 グランドホール
・2019.10.25~ 2019.11.04 石川県立美術館
・2019.11.06~ 2019.11.11 大阪髙島屋 7階 催事場
・2019.11.14~ 2019.12.01 岡山県立美術館
・2019.12.04~ 2019.12.25 島根県立美術館
・020.01.02~ 2020.01.19 香川県立ミュージアム
・2020.01.22~ 2020.01.27 仙台三越 本館7階ホール
・2020.02.04~ 2020.02.09 福岡三越
・2020.02.13~ 2020.03.01 広島県立美術館
▼ちなみ買ってきた図録(右)は¥2,160
作品全578点!全てカラーで載った写真集的な内容。
会場では、過去数年分の図録や関連書籍、工芸に関する様々な入門書なども販売されていました。
記事を読んでいただきありがとうございます。いただいたサポートは書籍購入などに使わせていただきます。何よりそんな広く優しい心をお持ちの方には きっといいことがあるはず✨メッセージも合わせて書いていただけたら必ずお返事いたします✏︎