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良いUXのヒントは"最悪の体験"にあり!?楽しみながらUXの学びを深めるワークショップをご紹介!忘年会・新年会にも◎【12月度BDI】

こんにちは!BASEのProduct Design GroupのUI/UXデザイナー・ムネチカです。
今日は12月度のBDI(社内勉強会)の実施内容を共有します。

BDI(BASE Design Inspiration)とは
デザインに関する幅広い知見を共有し、みんなで楽しく学ぶことを目的とした任意参加型の社内勉強会です。 デザイナーだけでなく誰でも参加することができます。Inspirationの名の通り新たな閃きにつながる新しいトピックを取り上げることも多くあり、2018年の秋頃から活動開始〜継続しています。現在は月1回を目標に活動中。

今回のテーマは「楽しみながらUXの学びを深めよう!」。
忘年会を兼ねてワイワイしながらUI/UXへの学びを深めるワークショップを実施しました!

デザイナーやプロダクト開発メンバーとの忘年会・新年会で盛り上がること必須のワークショップなので、気になる方はぜひ最後まで読んでくださいね!

めちゃくちゃ笑って、めちゃくちゃ学びを得た会でした。

ゲーム感覚でUXを俯瞰的にとらえる視点を磨く

今回のBDIのテーマは「UI/UXを語り尽くそう!」ですが、ただおしゃべりするだけでは意味がありません。
ワイワイ楽しく話しながらも、プロダクト開発に活かせる視点やアイデアを持ち帰ってもらうことが重要です。

忘年会を兼ねた勉強会なので、同じグループの Fukiさんと「楽しみながらも実になる勉強会」のアイデアを色々と検討して、今回は2つのワークショップを実施しました。

①プロダクトのUIを言語化せよ!
あるプロダクトのUIを眺めて「なぜそのUIになったのか」「どんな体験をさせたいのか」など設計思想を5分で読み解き、ふせんに書いてボードに貼り付ける。その後、ディスカションする。

②最悪!UX大賞
自分で利用して「最悪!」と感じたプロダクトやサービスの最悪ポイントをプレゼンしあい、投票で大賞を決める。
その後、最悪のUXがどうしたら「最高のUX」になるかディスカッションする。

どちらのワークショップも楽しげなタイトル(実際やっても楽しい)ですが、実は様々なプロダクトを俯瞰して分析し、自身の体験やUXに対する考察を言語化して他者に伝える作業を主軸にして設計しています。

自社以外のプロダクトの体験や設計思想を言語化しようとすると、当然自分達が作っている世界観とは異なるので、自分の思考のクセや組織のルールを一旦外して考える必要が出てきます。
さらに様々な人が集まって議論をすると、様々な視点の意見が飛び交います。

分析→言語化→議論のプロセスのなかで、プロダクトで提供すべき体験価値や設計思想を俯瞰してとらえる視点が磨かれていくのを実感できると思います。習慣的に行うと「メタ思考力」がかなり強化されていくのではないでしょうか。

様々なプロダクトの設計思想を言語化して議論することで、メタ思考力が強化されていく


今回ワークショップを実施してみて、普段の生活のなかで遭遇する様々なサービスやプロダクトのUXから、良いUXづくりのインスピレーションが得られるなと実感しました。

さて、ここからは具体的なワークショップの内容をご紹介します。


ワークショップ①:プロダクトのUIを言語化せよ!

【概要】
あるプロダクトのUIを眺めて「なぜそのUIになったのか」「どんな体験をさせたいのか」など設計思想を5分で読み解き、ふせんに書いてボードに貼り付ける。
その後、自分の考えをシェアしてディスカッションする。

【ルール】
・原則、お題となるプロダクトのキャプチャを観察し、考察を行う。
 キャプチャはコアとなる体験について3枚以下。

・考察の時間は5分。時間厳守。
 考察のポイントは下記の6点のうち、書けるものを自由に選んで書く。

・このプロダクトはどんなUXを実現しようとしている?
・UIはどんな思想で設計されていると思う?
・この画面で一番重要な要素、あるいは体験は?
・良いと思う点は?
・いまいちと思う点は?
・私たちのプロダクトに取り入れられそうなポイントってある?

【ポイント】
このコンテンツは私の前職での取り組みで実施していた「UI言語化ゲーム」というゲームを元にしたワークショップです。

有名な「ギャレットのUX5段階モデル」で表層にあたる部分は戦略設計〜情報設計までの集大成だと言われています。
キャプチャで切り取った表層のUIからUX全体の設計思想を読み解いていくことで、UXに対する洞察力が磨かれていきます。

実際のワークショップの様子。
5分の制限時間は短いようで、意外にたくさんの意見が出てきます!



ワークショップ②:最悪!UX大賞

※わかる人にはわかるロゴ。伝われ。

【概要】
自分で利用して「最悪!」と感じたプロダクトやサービスの最悪ポイントをプレゼンしあい、投票で大賞を決める。
その後、最悪のUXが作られた背景や、どうしたら「最高のUX」になるかディスカッションする。

【ルール】
・自分で体験したことを語る。その時の感情を大切に。
・プロダクトやサービスについて、オンライン/オフラインは問わない。
 コアとなる体験の写真や利用風景を1~5枚程度で説明する。
・プレゼン時、下記のフォーマットを使用する。

■記入者名:****
■プロダクト名:*****
■ターゲット:****
■最悪ポイント:
・****
・****
■画像:

【ポイント】
「良いUX」の事例は多くの場所で発信されていますが、「悪いUX」について積極的に発信される機会はそうそうありません。
ですが、あらゆる発明やプロダクトが使い手の「不便さ」を解消するために生まれてきたように、「悪いUX」にこそイノベーションのヒントがあるのではないでしょうか。

このワークショップは「悪いUX」を皆で決めた後、そのUXに至った背景や「最高のUX」にするにはどうすれば良いか議論を行うことが肝になっています。

今回はとあるコンビニのセルフレジと機能過多な家電製品が大賞として選ばれましたが、組織のコミュニケーションの大切さやユーザーリサーチの重要性など様々な議論が生まれ、自プロダクトにも活かせそうなヒントがたくさん生まれた有意義なワークショップとなりました!

実際のプロダクトなので詳細は見せられないけれど、かなり盛り上がりました!


さいごに。良いUXのヒントは普段の生活の中に散らばっている!

UI/UXデザインを「勉強」するためのツールは近年とても増えてきました。
書籍や教科書で原則を学んだり、WebメディアやSNSで他社の事例を学んだり。

しかし、私たちの生活は様々なサービスやプロダクトが提供するUXによって成り立っています。
レジに並んでいる時、駅で迷った時、再配達の申し込みをする時…良いUXのヒントは生活のあらゆる場所に散らばっているはず。

普段なら一瞬で通り過ぎてしまう体験と、そこで感じた自分の気持ち。たまに丁寧に向き合ってみると、良いUXのインスピレーションが浮かんでくるかもしれません。

楽しみながらUXの俯瞰的視点が得られるワークショップ、ぜひ活用してみてくださいね!


過去のBDIの開催の様子は下記からご覧頂けます。気になる方はぜひ見てみてください!

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