循環を創る国
長期的な視点が大切な「循環」
デンマークで過ごした1年を通して見えてきたことは、様々なことが循環するようにシステムが組んであるし更新されるということだ。
短期的視点ではなく、長期的な視点で。
大きいところでいうと、各々が現時点で「こんな国にしていきたい」という想いから、今自分にできることをやり、次の世代に何を残していったらよいのかを考え、実行し、その次の世代がそのさらに次の世代に残すことを考える。そうすると、自ずとその逆転も起こり、若い世代が上の世代に何をしたいのかを考え、結果循環している。例えば学費や医療費が無料であるのも、世代と世代の支え合いなのである。
半年間丁稚奉公した、ハンドメイドの杖の職人から教えてもらったのは
ということ。
私なりにこの言葉の意味を考えてみた。
ここの意味でのArt というのは、社会に声を上げること。これは必要なのか? もっとこうしたらよいのではないか、と。固定概念を破壊する。
そうすると、「必要なことだ!」と集まり文化となる。
それが当たり前に浸透していき社会を作る。そこからまた、新たな声が上がる。
この循環を止めてしまうと、流れが沈下してしまい時代にそぐわなかったり、どこかに極端な負担がかかるということだと考えた。
デンマークは国としてこの循環を重んじ、「教育」でしっかりとこの大切さを教えている。だからこそ今では進歩・経済最優先ではなく、どうやったら次につながる社会を作れるかを考えているように思う。それが後の社会を明るく循環させることだと確信して。
(尚工藝代表・宮田尚幸)
シルバー新報 2020年(令和2年) 9月11日(金曜日)発刊号より
なにかのヒントになっていたら幸いです。