「花火と海といえばさ」「あれでしょ」と同じ思い出を引っ張り出してくる夫もそこにいた
海辺で花火というシチュエーションを想像してみて。きっとあなたの頭の中で花火に興じる人物は、薄着をしているでしょう。
下着が透けてしまうようなぺらぺらのTシャツ、体のラインをばっちり拾うフィット感抜群のタンクトップ、汗ばんだ肌に砂がはりついてもすぐに洗い流せるホットパンツ、もしかすると水着かもしれない。足元はビーサンで決まり。
でも、違うんだ。わたしにとって海辺で花火といえば、凍えるような冬の海が眼前に広がる真っ暗な砂浜で、ホッカイロを貼り付けたヒートテックにセーターを重ねた上にダウンコートを羽織って完全防寒。足元はもこもこのブーツか長靴で決まり。
「今時期に誰が買うの?」ってくらい大きな花火セットをドンキで買って、「花火!? えっ、冬の海でとかバカじゃないのwww」なんて言いながら集まったノリの良い子たちとやった、あの花火なんだ。
年越し花火! とかいって、大晦日に集まったこともあった。10代みたいなノリだけど、あれ20代半ばだったんだよね……
ちなみに、わたしは言い出しっぺではない。寒いのが何より嫌いだし、砂だらけになるから海もそんなに好きじゃない。謎の悪ノリに乗っかるほどフットワーク軽めでもない……はずなんだけど、「えー、寒いの嫌なんだけど」とかぶつくさ言いながらもなんやかんやと毎度参加し、そして結構楽しんでいた。
冬の海で花火をする。わたし1人では絶対に出てこない発想だし、万が一頭に浮かんだとしても行動に移すことはまずなかっただろう。
そんな「まさか」が実際に行われるのには、他者の介入が不可欠で。それっぽく言うのであれば、異なる思想を持つもの同士が集まることで化学反応が起こる、というやつだ。
つまりは、友達っていいよねって。一緒にいるとどこまでもバカになれたり、思ってもみない体験ができたりするじゃない。
わたしは1人が好きだけれど、だから友達と過ごす時間も好きなんだよ。
今回のお題「花火」「海」
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