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2023年2月の記事一覧

もはや人間でさえない【No Longer Human 「人間失格」漫画版(伊藤潤二)English Edition書評】

太宰治の「人間失格」を漫画で読んだ。

伊藤潤二の表現力がもう才能の塊すぎて言葉が出ない。

太宰の原作にはないいくつかのエピソードとオリジナルの結末。
それでもストーリーの軸と、" 人間の弱さを徹底的に追求する" という作品のコアは十分に保たれ、漫画でしか感じられない、目に見える" 悲惨さ" と" 狂気" が並外れた画力で描かれる。

すごいよ、太宰はもちろん、伊藤潤二がこんなに並外れた作家だっ

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