現役銀行員が語る業務内容と将来性~今、銀行への入社はチャンスか否か~

(文字数:約9,000字)


(1)はじめに


 本稿で学べること
 ・銀行の役割
 ・銀行の部門ごとの仕事内容
 ・銀行の将来性
 ・銀行員に必要な資質
 ・金融についてより理解を深めるため、現役行員が勧める書籍


 銀行への就職を検討している方へ、現役銀行員が仕事内容を解説します。
 かつて銀行員は、就職先の花形として人気でしたが、超低金利が収益を圧迫、更にAIに仕事を奪われるのではないかとの懸念から、就職活動にといて不人気の就職先となってしまいました。
 しかし、銀行は落ちぶれたと言い切ってもよいのでしょうか?
 かのビルゲイツは、「銀行機能は必要だが、今ある銀行は必要なくなる」と言いました。確かに、旧態の銀行は必要なくなるでしょう。しかし、世の中にお金がある以上、ビルゲイツのいうとおり、銀行の「機能」はなくならないでしょう。
また他業種でも使える知識・スキルを銀行で学ぶことができます。
投資の世界では、優良株の人気が落ち、安売りしているときに投資するのが勝利の常套手段です。同じく銀行人気が落ちている今こそ、銀行に入社できるチャンスと捉えることができます。業務の効率化で新規職員の採用を減らす銀行も出てきています。今後、「やはり銀行に入りたい」と思っても、かなり狭き門となる可能性も十分あります。
 著者は、全国規模の銀行に在籍し、内部監査部門で活躍する現役の銀行員です。
内部監査は、一言でいえば「社内コンサルタント」です。会社が目標達成に向けて順調に舵取りできているか点検し、必要に応じて助言するのが仕事です。適切な助言をするには、会社全体のことを理解しなければなりません。そのため、各部門の現状や課題について、リアルな情報を知ることができます。本稿では、内部監査部門で培った知見をもとに、銀行の現状と将来性について論じようと思います。

ここから先は

8,358字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?