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夜中に実家の階段を上り下りする、誰かの足音がする話

怖さ:★★☆ 

会社の同僚に聞いたお話です。

彼女がまだ子どものころ、実家で暮らしていた時のことです。彼女の部屋は2階にあって、隣にはお兄さんの部屋がありました。2階にはその二部屋だけで、トイレは1階にありました。そして彼女の部屋も、お兄さんの部屋も引き戸になっていて、部屋の出入りをするときには扉を開け閉めする音もするそうです。

ある夜、彼女が寝ていると、誰かが階段を上ってくる音がします。階段がきしむ音を聞いて「お兄ちゃんがトイレに行って上がってきたんだな」と思いました。でも、部屋に入る扉を開ける音がしません。ちょっと気になったものの、家中が寝静まっているので、お兄ちゃんも気を使って、音をたてないようにそっと扉の開け閉めをしているのかな?くらいに思って、再び眠ろうとしました。

ところがその後も、今度は階段を駆け下りたり、駆け上ったりする音が何度もします。でも、「お兄ちゃんトイレに何回も行ってるけど、お腹でもこわしたのかな?大変だな~」と、別に気にはしませんでした。

ところが翌朝、昨夜のことをお兄さんに聞いてみると「別にトイレには行ってない」と言います。だったら、あの階段を上り下りする音は誰の足音だたのだろうと、怖くなりました。

階段を上り下りする足音は、彼女が小学生、中学生の間、不定期に何度も聞こえました。ダダダッと駆け足の時も、ゆっくりゆっくり上り下りする時もあったそうです。お母さんに言っても「そんなことないじゃない」と取り合ってくれないので、家族に言うのはやめました。その後、高校に入ると部活で疲れてすぐに寝てしまうようになって、階段の不思議な足音で起きることはなくなりました。

ちなみに彼女自身も寝ぼけて階段を落ちることがよくあって、親に「夢遊病」というあだ名をつけられてたそうです。

話し手:30代 女性
採取時期:2020年3月
採取場所:東京都内

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