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個別最適な学びについて考える(4)ー坂元昂,東洋(1977)学習心理学ーから

現在は,体調が戻り記事もちゃんと書けるようになりました。
季節の変わり目,体調不良にはお気をつけください。
私は,昔から完全なる健康体ではないので,よく体調を崩してしまうこともあります。なるべく,体調が安定するような生活を行っていきたいです。
前座はこのくらいにして進めていきましょう。

本日は,「坂元昂,東洋(1977)学習心理学.新曜社,東京」を読んで,個別最適な学びについて考えていきたいと思います。

学習の効率を高めるために学習者の能力・適性を考慮にいれて教育的な処置を決めようというのがATI(Aptitude Treatment Interaction)(適性処遇交互作用)の考え方である。【中略】
この考え方からすれば「すべての学習にとって唯一最良であるような教授法(または学習法)」は存在しない。これは当然といえば至極当然の考えかたである。

坂元昂,東洋(1977)学習心理学.新曜社,東京

学習の仕方を教師が教えていけば,教師の負担も少なくなるように感じます。例えば,それぞれの児童の様子を見て,このくらいのレベルの能力で,好ましい学び方はこれでと教師が考えていたら,とてもじゃないですが手が回りません。
また,これは教科によっても違うと考えると,一体どのくらい時間を費やさなければいけないかと考えただけでも恐ろしいです。

そうならないためにも,教師が学び方を指導して,そこから自分のスタイルを選んでいけるような形にすることが理想だと私は考えます。
2段落目に書かれているような,唯一最良である学習法が存在しないと考えるのであれば,たくさんの学習法を知っておくことに損はないと思います。
逆に,教師が与えた方法のみでしかやってはいけないとすることの方が,大変になってしまうのではないでしょうか…。

ある学習作業を行なう前にあらかじめ先行的に与えられる包摂者を先行オーガナイサー(advance organizer)とよぶ。このオーガナイザーは,学習課題それ自体よりも高水準の抽象性,一般性,包括性で書かれるべきものである。先行オーガナイザーは,学習課題に先行してそのより詳細な部分の概観を与え,材料の特定の内容とすでにもっている認知構造のなかの関連ある概念を
含むような要素を与え,新しい材料をなじみ深いものとし,学習を容易にしてくれる。

坂元昂,東洋(1977)学習心理学.新曜社,東京

教科書を事前に読み込みましょうということは,このような考え方に則していると考えられます。事前にある程度知識を入れた方が,その後の学習の記憶保持力に影響を与えます。
一方で,何となく読んでくださいという教師の指示では,意味もなく読むという行為で終わってしまいます。このような理論を知った上で,教科書を先に一読するのか,知らないまま一読するのかでは全然違ってくると思います。

改めて学習がどういうものか教師が知っておくと,子どもそれぞれに応じた指導ができるようになると考えます。個別最適な学びを進めるためには,いろんな分野からのアプローチが必要だと感じました。

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