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感想

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#マンガ感想文

2023年に出会った良いマンガ、ベスト6

2022年に出会った中で特に面白かったマンガを6個上げてみました。好きなマンガが挙がっていた方は、私と趣味が合うかもしれないのでここに紹介した別の漫画も読んでみると良いかもしれないです。 昨年はKindle Unlimitedで結構な数の新規タイトルを読んだのですが、今年はあんまり読んでなくて、メジャータイトルで読んだことが無かったものを中心に読んでいました。特に集英社が多いのは以前と比べてポイント還元の対象になり易くなったからなんじゃないかと分析しています。マンガ愛してる

2022年に出会った良いマンガ、ベスト5

2022年に出会った中で特に面白かったマンガを5個上げてみました。好きなマンガが挙がっていた方は、私と趣味が合うかもしれないのでここに紹介した別の漫画も読んでみると良いかもしれないです。 一応順位を付けてますが、こうやって振返ってみると甲乙つけがたいです。いやぁ、どれも素晴らしいマンガだと思います。 5位:姫様“拷問”の時間ですタイトルだけ見るとエロかったりグロかったりしそうなんですが、全く逆の魔界日常ほっこり漫画。最新巻あたりでは、最早ただただ姫様と拷問してる側の人たちが

藤本タツキ『ルックバック』に思う

漫画を描かずに役に立つことをやっていれば、友達を救えたのかもしれない、主人公はそれを念頭に「描いても何の役にも立たない」と漫画を評します。でも最終的には、楽しくなくて、面倒くさくて、超地味な漫画を描くという作業に戻っていきます。これは漫画が「何の役にも立たない」ものではないと思い直したからなんじゃないかと思っています。 ご時世柄、漫画だけに関わらずエンタメは社会の隅っこに追いやられています。でも、エンタメは「何の役にも立たない」ものではなくて、生きていくのに必要な心の滋養物

『九条の大罪(2)』に思う。

介護施設の経営者(半グレ)が言っていることは芯食っているものの、 それが他人を蔑ろにすることの免罪符にはなりえないですね。 まぁ、彼としてはそう思い込むことで、自分の悪行とバランスとってるんでしょうけど。 『九条の大罪(2)』を読みました。印象的だったのは上記レビューでもかいていた以下のセリフです。 今後 日本の税収は高齢者の増加で国民の半分の労働者でまかなうことになる。富裕層は税金逃れの方法を知っている。しわ寄せはナチスが発明した源泉徴収で搾り取られるサラリーマンにいく

『水は海に向かって流れる』に癒される

疲れているスギ・ヒノキ花粉症なので、この時期(2月~4月)は毎年調子が悪いです。舌下免疫療法をやり、薬も服用しているのでひどい状態にはならないのですが、とはいえアレルギー反応はずっと起こっているわけで、他の季節に比べ心身ともに疲れやすく、テンションも下がりがちです。通常だと起きたらすぐに行動を開始できる方なのですが、この時期は布団の中で30分ぐらいゴロゴロしてからでないと行動を開始できないです。 まぁ、要するに最近ずっと「疲れてる」わけです。 癒しを求めているそうなってく

チェーンソーマンの何が凄いのか考えてみた①

チェーンソーマンの第一部が完結しました。 正直漫画の良し悪しってのはよくわからないんですが、なんか凄いんですよ。この漫画!!! 何が凄いんだろうと思いながら11巻を読み返してみて一つ思ったのは 兎に角、緩急が凄いということ、後半になるとシリアスなシーンが増えてくるんですが、シリアスなシーンの静けさと、戦闘シーンの爆音具合の差が凄くてすごい。どうやって漫画でこんなに緩急がつけられるんだろうと思って読んでみたんですが、セリフやオノマトペが入っていない無音のシーンの挿入タイミ

『約束のネバーランド』20巻に思う

哲学的というか自己啓発的というか、3カ所ほど気になってしまったので、ほろ酔いだしネタバレしない程度に書いてみようと思う。 感情と自我を切り離して考える誰かを憎いと思う感情が好ましいと思う人はあまりいないと思う。そういう好ましくない感情をただ漫然と受け入れると健康に悪い。そういうときに大事なのは自分の感情は自分自身ではないということを理解することだと思う。心というのは自分自身とは関係なく揺れ動くもので、感情に縛られていては自由とは言えない。 構造主義的に考えるそれぞれの立場

「イムリ」が完結したので、ネタバレしない範囲で私なりのオススメポイントを紹介したい。

三宅乱丈さんのSFファンタジー漫画「イムリ」の最終巻が先月発売されました。記念に全巻通して読み返してみたので私なりのオススメポイントを書いてみようと思います。 私にとって「イムリ」は壮大な思考実験の上に成り立っているSFファンタジーだと言えます。まず、1巻の冒頭で書かれている物語の下敷きは以下のような感じです。 昔ー 戦争によってひとつの星が凍結した。星の名はルーン。凍らせたのは「カーマ」の民だった。戦後「カーマ」の民はルーンの隣星であるマージへ移り住み「賢者」と呼ばれる

もやしもん2巻を読んで感じること

「もやしもん」はすごく面白い。ただ、2巻を読んでなぜか私は切なくなった。何でなのかちょっと考えてみようと思う。 現在3巻まで読んでるけど、こう言った気分になったのは2巻だけだ。ということは多分2巻のメインになっている「春祭」に何かしらの感傷を覚えたのだろう。 「ブクログ」の感想にも書いたけど、ああ言ったどう考えても無駄なことに一丸となって取り組めるのも学生の特権だと思う。(サークルの活動費がかかっているとはいえ、真面目にバイトでもした方が割は良さそうですし。) 私も学生

【ネタバレ?】ヒロアカの27巻読んだ。良かった。

サブタイトルは「One's Justice」そのタイトルと表紙の通り、分倍河原仁の正義と、ホークスの正義がぶつかります。 ここまでヴィラン側を深く書いた作品だからこそ、人にはそれぞれの正義があると言う前提と、ヴィラン側の価値観や人間性にも読者が共感している中で、主人公のイズクがヒーローとヴィランをどう定義し、最高のヒーローになっていくのかがより楽しみになりました。 また、ヒーローに哀れまれたヴィランが自分を肯定するシーンは、ストーリーの盛り上がりもあり、非常にグッとくるも