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APP DIVE vol.2 〜新規アプリの「しくじり」から学ぶユーザー視点のプロダクト改善とは〜

しくじりから学ぶ、APP DIVE vol.2の速報レポです!
テーマはイベントサイトより拝借しております。

▼APP DIVE vol.2 テーマ

第二回のテーマも「しくじり」です。失敗があることを当然と捉え、その「しくじり」から何を学んだのか、どう変えたのか、その結果はどうだったのかを対話します。

参加された方にとって、自社のアプリグロースのヒントやきっかけが生まれる場となることを目指しております。今回はクックパッドマート、エリクラ、Toreta nowと新規アプリとして参入し急成長しているアプリの担当者を迎え、パネルディスカッションを行います。

異業種ではありますが、新規アプリという共通項を持つそれぞれのアプリが実際に直面した「しくじり」を中心に議論を行います。

▼登壇者はこちら

モデレータ 坂本たつおさん

クックパッド株式会社:買物事業部本部長 福﨑 康平さん
新規事業クックパッドマートの開発に携わる。クックパードマートは良い食材を簡単にアプリで購入し、近所のお店で受け取れるサービス。

株式会社リクルート:グループマネジャー 瀬沼 裕樹さん
新規事業エリクラの開発に携わる。エリクラは自分の空き時間に仕事をさがせるサービス。お手伝い版Uberのようなイメージ。

株式会社トレタ:執行役員 名取 一博さん
新規事業トレタnowの開発に携わる。トレタnowは”今すぐに入りたい”お店を予約するサービス。

この4方のパネルディスカッション形式でお送りいたいと思います。


1) まず最初に、アプリでやろうと決めた理由は?

モデ坂本「まずはそもそものところからお伺いしたいんですが、みなさんアプリのサービスをされていますよね。そのきっかけというか、webでなくアプリにした理由ってあるんでしょうか?」

トレタ名取「もともとトレタではipadで店舗向けのサービスをやっていました。なので、社内にアセットとしてiOSエンジニアがいて、それをそのまま採用した形ですね。大きな検討というのは実はなかったです。」

クック福崎「僕たちは”まとめ買いってそもそも便利なんだっけ”というところから疑いました。ウェブの方が開発工数は低いんですが、人によって買い物は週に何回も行きたいニーズがあったりするので、開きやすいアプリでの開発に決めました。

最初はMVP検証するのにスプレッドシートで検証しました(笑)。オーダーはスプレッドシートでプッシュはslackで試しました。」

リク瀬沼「エリクラの場合は、使ってくれてるユーザーさんから”アプリはないんですか?”という問い合わせがすごく多かったんです。私たちからしても”たしかにこれはアプリだよね”と。会社としてもアプリの方が一度ダウンロードしてしまえばチャーンも減るので、アプリでの開発を決めました。」


2) 新規事業の攻め方と変化への対応

モデ坂本「そんななか、最初に思ってた仮説と違う部分とかは開発してる中でありましたか?」

クック福崎「見た目はECなんだけど、裏で動いてるのは買い物代行という構図はワークしそうだと当初から自分の中で仮説がありました。最初は時間のあるお母さんとかが代わりに買い物してくれるのを考えてたんです。でも想像と違っていた部分が2つあって。それは実際に自分たちが社内でサービス検証している中で気が付いたんですけど。

一つは、食材の見極め大変よ!ということ。鮮度もそうだし、あとは売ってるはずだったのに品がないとかですね。

もう一つは、テストやった初日にすごく雪が降って、僕が自分で買い物検証したんですけど、これは大変だと。あとはイチゴを買うのに、荷物の詰め方がすごく運搬が大変だったり、虫がついてるとか。。それでモデルの修正をしたとかがありました。」

トレタ名取「製品のニーズ自体は昔からあっていろんな企業がトライしてました。なので、そこは問題なかったんですが、予約を簡単にしすぎたせいでユーザーからみると”簡単に取れすぎて不安で怖い”という点がありました。」

モデ坂本「便利になりすぎちゃって怖いみたいな、嬉しい悲鳴みたいな部分ですね。」


3) 組織と新規事業に向いている人

モデ坂本「既存事業でやる人と新規事業で求められる人の共通点や違う点は?」

リク瀬沼「リクルートで有名な言葉に”圧倒的当事者意識”というのがあるんですが、自分たちがやってることって社会に対して価値あるんだっけ?というところを問い続けているんですね。そういう意識がないと新規事業には向かないかと思います。

”こういうことやりたい”という人は多いが、そう思うのなら2-3人にヒアリングしたことあるの?って。そういう意味で原体験としての課題感を持っていてほしいというのはありますね。」

モデ坂本「なるほど。一方で思いがあるのに能力足りてない場合とかはあるんでしょうか?」

トレタ名取「そうですね。大きな壁にぶつかった時は能力が圧倒的に必要な場合もあると思うんです。ただ自分としては、本質的な課題意識とそれに対する解決欲があれば、メンタルでカバーできる部分もたくさんあると思ってます。」

クック福崎「新規事業で向いてるっていうと、僕のチームの初期メンバー2人はエンジニアなんですが、すごく優秀なんです。それを振り返って考えると、最初の数人は性格の好き嫌いよりも自分ですごく強いスキルをもってるのが大切なのではないかと感じました。なぜかというと、新規事業ってすごく不安定なので、何かの分野で確信を持てる人じゃないと辛いんじゃないかなあ、と思うところがあるので。」

4) 社内のエンハンス

モデ坂本「新規事業ってよく社内公募とかありますよね。大きな会社さんほどそういう制度があるような気もします。ただ、そういう仕組みをつくってもなかなか案が上がってこないことありますよね。」

リク瀬沼「リクルートの場合、好きな人は一人で15案くらい出してくれる人もいるんですけどね(笑)。でもたしかに出さない人は全然出さないと思うので、弊社ではイベントで啓蒙したり、それこそ起案の仕方をみんなで講座をやってみたりしてます。リーンキャンバスみんなで書いてみよう!とか開催してます。そうすると社内公募で1000案くらい毎回出てきますね。」

モデ坂本「すごいですね。クックパッドさんは?」

クック福崎「クックパッドってレシピをやってますが、それだけじゃないんですよ。料理をよくしたい、食をよくしたいというのが大きなミッションです。そんな中、うちは利益じゃなくてキャッシュフローしかみません。ミッションを達成するまではそうすると、社外にも公言してます。なので、”なんでもっと投資できないんだ!”という価値観を会社全体で持つようにしている。今の時代、そもそも外食が増えているので、まずは料理の課題をよくしないといけない。そこへの意識が会社の文化として色濃くて、僕が前にいた会社と比べても全然違いますね。」

トレタ名取「トレタでは、誰かがいいと思って勝手にやったことを卑下にしないような文化があります。やる気を尊重するようにしています。エンジニアが自分の本来の仕事でないところでやってても、それを頭ごなしにNGにしない。」


5) ユーザーの声を拾い上げるプロダクト改善

モデ坂本「ユーザーヒアリングなんですが、実際どういう風にプロダクト改善に利用していますか?」

クック福崎「最初のうちは自分の思うものを当てて出した方がいい気がします。そのあとで”ちょっとここ、思ったとうりにいってないな”と感じる部分があったらユーザーに聞くようにしています。ウケると思ってないお笑いのネタを観客に当てても面白くなくて、やっぱり自分が面白い!って確認が持てたものを観客に当てるスタイルがいいと思いますね。」

モデ坂本
「面白い例えですね。」

リク瀬沼「初期に聞きたいのは”熱狂的に使ってくれてる人”ですね。全然初期のプロダクトなのに、なぜか熱狂的に使ってくれてる人がいる。そういう人になんで応援してくれるのかヒアリングするのが良かったです。さらにいうと、プロダクトの初期って自分的にも不安が多くて、熱狂的な人から聞けるとモチベーションにもつながりますよね。自分のチームメンバーはユーザーとLINEで繋がってやり取りをしてて、それくらいの距離感でやってました。」

と、ここで良いお時間になってまいりました。
このあとは会場からの質問などもあったのですが、今回はパネルディスカッションの内容で区切りとさせていただきます!

登壇者の皆さま、貴重なお話をありがとうございました。
そして記事を読んでくださった皆さまもありがとうございます。
以上、現場から速報でした〜

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