なな

〇宮城県仙台市 〇明治大学法学部→大学で実存主義哲学や仏教に関心を持つ →生きることを…

なな

〇宮城県仙台市 〇明治大学法学部→大学で実存主義哲学や仏教に関心を持つ →生きることを学ぶ学校L大(L=LIFE)を友人と立ち上げ。 https://www.youtube.com/channel/UCT_WrAwT285kssAaMyqdtIA 〇カフカやオルタナロックが好き

最近の記事

幸福の捕まえ方

「幸福と見えるものがえてして、欲望という、  自分でも制御できないものに翻弄されている  不自由な状態である」  カント『純粋理性批判』 「幸福」はみんな捕まえたいのに形がない。 とらえどころの無いものです。 今日はこのカントの言葉から、 「幸福」に形を与えて、捕まえやすいものにしたいと思います。 〈欲から離れて動けない〉 「幸福が欲望に翻弄されている」とはどんなことでしょう。 欲望にも色々ありますが、代表的なものは5つです。 珍しい美味しいものが食べたい「食欲」 プレミ

    • 星の王子様とアンパンマン

      私が子供のころから考えてきた問いがあります。 人は何のために生きるのか? 子供のころは、ハッキリした言葉になりませんでしたが、 漠然とした生きづらさとして、 心の中に響いていた問いです。 小学校のクラスメートの中にうまく溶け込めなかったり、 中学受験の第一志望に落ちてしまったり、 地元を離れて通った中学でも自分の殻に閉じこもりがちになったり、 何か周囲にうまく溶け込めないズレを感じて生きてきました。 そんな悶々とした思いを言葉にしてくれたのが 星の王子様とアンパンマンです。

      • 習慣から抜け出す

        こんにちは! 家に引きこもりで天パの髪が 静電気で下敷きにくっついたみたいになっているL大のナナです。 1日の生活に変化が少ないと、朝起きてから寝るまで、 けっこう同じようなことを繰り返しているなと感じたりします。 スーパーに行くと同じクッキーと豆乳ヨーグルトを買い レギュラー珈琲は苦みの強いモノにする。 同じバントのアルバムの再生ボタンに手が伸びて… こんな同じことの繰り返しじゃ進歩がない、 もっと普段と違う選択をしなきゃ!と思うのですが、 習慣の力はつよいなと感じます。

        • 愛するモノココロ

          何かを所有してもその度に失う恐れに支配され、 所有していなければ、 それを求める欲求に支配される。 ハンナアーレント 『アウグスティヌスの愛の概念』 全体主義の起源で知られている、 ドイツの政治哲学者ハンナアーレン22才の時の博士論文です。 この論文の第1章でアーレンとが取り上げているのは 「欲求としての愛」です。 私たちは自分にないものを求め、獲得したいと思います。 たとえば、友人や恋人、お金や社会的地位などでしょう。 何かを所有することで幸せになりたいと求めます。 この

        幸福の捕まえ方

          不都合な真実

          幸福だった季節のその銅色の輝きは失われてしまった。  ペストの日ざしはあらゆる色彩を消し、  あらゆる喜びを追い払ってしまったのである  カミュ『ペスト』 『異邦人』などの作品でノーベル文学賞を受けた フランスの作家アルベールカミュの小説です。 カミュの生まれ故郷でもあるアルジェリアの町オランを 伝染病ペストがおそいます。 ロックダウンされ、外部との連絡がたたれた 町の人達の心理と、医師リウーの奮闘が描かれます。 14世紀に起きた大流行では 当時の世界人口4億5000

          不都合な真実

          生きることを旅に譬えるなら

          彼女が楽しみにして就寝時間まで 保たせておくような、時空間における 特別な一点をでっち上げなくてはならなかった... 血や肉となる目的を失って、 彼女の日々の骨格が崩れ落ちてしまうのだ。 ウラジミールナボコフ『ロリータ』 ナボコフは1899年に帝政ロシアに生まれ、 ロシア革命で祖国を離れ やがてアメリカに渡って活動した作家です。 代表作『ロリータ』は 主人公39歳のハンバートと14歳の少女ドロレスが アメリカを舞台にあてどもない旅に出るメチャ年の差恋愛小説です。 人生は昔か

          生きることを旅に譬えるなら

          人生のモンハン

          怪物と闘う者は そのためおのれ自身も怪物にならぬように 気をつけるがよい。 お前が永いあいだ深淵をのぞきこんでいれば、 深淵もまたお前をのぞきこむ。 ニーチェ『善悪の彼岸』 今回はモンスターハンターの心得について みなさんと考えてみたいと思います笑 あなたがいま闘っているモンスターはなんでしょう。 バハムート、いじめっ子、受験、パワハラ上司、 暴力亭主、ウイルス...などなど 人生では色々の怪物に遭遇します。 そんなモンスターと闘うとき、 自身も怪物にならぬように気をつけよ

          人生のモンハン

          2つの自由

          彼は「~からの自由」の重荷に耐えて いくことは出来ない。 彼らは消極的自由から積極的な自由へと 進むことができない限り、 結局自由から逃れようとする他ない。 エーリッヒフロム『自由からの逃走』 エーリッヒフロムはドイツの社会心理学者で、 ナチスドイツを支持した背景の真理を分析した 『自由からの逃走』で知られています。 今回はそこから「自由」について考えてみたいと思います。 春から大学、社会人、家族と住み慣れた土地を離れて、 一人暮らしを始めた人もあるでしょう。 自由な生活

          2つの自由

          嘘とシンクロ

          正言若反(せいげんじゃくはん) 老子『道徳経78章』 真理は真理とは受け取られず、 それとは反対に偽りのように響く という意味の老子の言葉です。 ホンモノの天才は生きている時には 理解されないことがあります。 ゴッホは存命中、売れない貧乏画家で、 弟から資金援助を受けて、 やっと創作活動を続けていました。 ニーチェのニヒリズムも当時の人には 受け入れられませんでした。 天才は、真理の一端を見抜く能力があり、 発見した真理を共有しようとしますが、 それは時に、多くの人に

          嘘とシンクロ

          心の貯金箱

          君がいままで自分のうちに描いてきた世界、 貯えてきたたくさんの風景や表現されたがっている思想、 情感が、君の中から湧き出てくるのだ。 宮崎駿『出発点』 これはジブリの宮崎駿監督の言葉です。 ジブリ映画は私も大好きで、 子供の時からナウシカ、トトロ、ラピュタとか 何度も繰り返し見てきました。 私の一番好きな作品はトトロなんですが、 ジブリ作品に登場するキャラクターはどれも それぞれ個性的で、そのキャラの魅力にひかれて ファンになってしまいます。 これは宮崎監督の想像力が生

          心の貯金箱

          7つのウヌボレ

          ある夜、散歩していると、街灯の下で探し物をする人に出会う。 鍵を落としたので家に帰れずに困っていると言う。 一緒に捜すが、落とし物は見つからない。 そこで、この近くで落としたのは確かなのかと確認すると、 落としたのは他の場所だが暗くて何も見えない、 だから街灯近くの明るいところで捜しているのだと。 これは社会心理学者の小堺井敏晶さんが 大学の授業でよく取り上げるたとえ話だそうです。 ここで「街灯」に譬えられているのは常識です。 いまは「常識」とされていることも 時代や場

          7つのウヌボレ

          善いと幸せはいっち?

          「ハチが針を必要とするように、人間は徳を必要とする」 (ピーターギーチ 『倫理学原理』) これはイギリスの哲学者ピーターギーチの言葉です。 蜂は女王の宮殿を守るために針を身にそなえています。 それは蜂が種を保存するために必要なものですが、 人間は徳を必要とする。 「徳」とはたとえば「親切する」「約束を守る」など よい習慣といえるでしょう。 「自分の利益を考えたらこうしたい」と思っても まず周りの人の利益を考えて行動する。 そんな人は尊敬され「徳」ある人になります。 「徳

          善いと幸せはいっち?

          人生のキッチンとトイレ

          〇死が見えなくなった時代 『死が見えなくなったことで   生のエネルギーは空回りし、全体性を失った』 稲葉俊郎さんという 東大病院で循環器内科医師を されている方が『コンテマガジン』という 雑誌のインタビュー記事の中で 言われていた言葉が心に残った。 「死が見えなくなった」とはどんなことだろう? みなさんは誰か人の死に立ち会ったことがあるでしょうか。 私が始めて人の死に身近に触れたのは 祖父が亡くなったときでした。 中学生の時だったと思います。 それまで身近で人の死に触

          人生のキッチンとトイレ