推しの卒業から紐解くわたしの「好きなもの」
コーヒー、パン、本と服。食べものに、音楽や駅伝……とにかくわたしには好きなものが多い。
なんとなくの収束地点として “儚いものが好き” だと自覚していたけれど、その理由が分からずにいた。儚いなんていう曖昧な定義なのだからとその理由も曖昧にしていたのだが、今回とある事件をきっかけに考えてみることにした。
推し、今泉佑唯ちゃんが卒業する。
「推し」とは:一推しのメンバーを意味する略語 “推しメン” をさらに略したもの。 アイドル等のグループ内において、最も応援しているメンバーのこと。アイドルに関わらず、アニメやゲーム等のキャラクターについても同様の意味で使われることが多い。
オタク用語として使われることが多いが、人間誰しも「推し」というものは存在するのではないだろうか…元の定義はさておき、好きなアイドルや芸能人はもちろんのこと、クラスで密かにファンな彼女のこと、好きなお店の商品などなど…それは広義なものである(と、わたしは思っている)。
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突然だがわたしは、ミーハー層に属したオタク寄り、もしくはオタク層の中のミーハー寄りの「アイドル好き」である。幼少期のモーニング娘。にはじまり王道「嵐」…とにかくアイドルが好きだ。
ちなみに好きな音楽のジャンルは…と言われると1番は洋楽オルタナティブなのだが、その真逆に位置していそうなアイドルが好きかというのを説明したい。
わたしにとってアイドルは音楽というジャンルだけのものではなく、芸術・アートなのである。
さて、わたしが大好きなアイドルグループのトップに君臨するのは欅坂46というグループなのだが、その魅力を説明したい。
・サイレントマジョリティー
「きみはきみらしく生きていく自由があるんだ」
マイノリティに立ち向かう強い意志が印象的なデビュー曲が大ヒット。にこにこきらきらアイドルとは違う、真剣な強い眼差しが本来のアイドルオタクではない層までをもオタクにしてしまった(と思う)。
・不協和音
「ぼくはいやだ」とセンター・平手友梨奈が叫ぶシーンが印象的。紅白でも数名が倒れるなどあまりにも危ういグループであることを世間に知らしめた一曲でもある。ちなみに紅白の衣装は毎年最高にイカしてる!!ので要チェック。
まとめると、
・主張がすごい
・衣装とPVの演出がとにかくかっこいい
・アイドルグループなのにPVでアイドルの顔がほぼ分からない
という感じで欅坂46を箱推ししているわけなのだが、冒頭でわたしが言った “儚いものが好き” にどうつながるか……アイドルの話をしてもわからないというひとがいるとおもうので、少し例えを変えてみる。
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たとえば流行りの服を買うと、とにかく着る。それは、「来年は流行らないかもしれない」と心で分かっているからだ。
流行りの店に行ってしまうのはなぜか。今行かないと遅いからだ。連日取材される人気店にお客さんがいなくなった…そしてお店はなくなるという話があるように。
「流行り」というのはわかりやすい。“今を逃してはいけない” という、選択するときに明確な理由がはじめから存在する。言い換えれば旬。旬の食材を旬の時期にたくさん食べるのと似ている。
アイドルというのは、あまりにも儚い。ときに消えそうな声で、自信なさげな駆け出しの映像。デビューシングルからの変遷をみて垢抜けた姿からわたしはいつも「彼女たちもいつか卒業してしまうのだ」と言い聞かせている。
(わたしの一番の推しは不動のセンター・平手友梨奈なのだが)それに次いで大好きだった今泉佑唯が卒業を発表した。そして今回、こんな文章をつらつらと書くに至ったのである……
“今を逃してはいけない”という感情のパワーがわたしの偏愛を後押ししていく。それはときにミーハーであり、ときにオタクなんだろうと自覚しているが、断言しよう。
わたしは、儚いものが好きだ。
P.s. 明日でグループ活動を終える今泉佑唯ちゃんの、これからの活躍を祈って。
読んでくださってありがとうございます。今日もあたらしい物語を探しに行きます。