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今こそ「スマートハウス」。2022年、電気の自給自足に挑戦🔋

我が家では、引っ越し(地方移住)をきっかけに、2022年から自宅のスマートハウス化を実現することにしました。

この記事では、なぜ今「スマートハウス」なのか、電力の自給自足なのか、ということを記したいと思います。

スマートハウス〜本マガジンでの定義〜

「スマートハウスに挑戦しています!」というと、IoTスピーカー(Alexaなど)に代表されるような便利アイテムがたくさんある家、と想像されることも多いのですが、厳密には「スマートハウス」と「スマートホーム」は別物。(ご存知でしたか?)
わたしが目指すのはこの定義通りのスマートハウスとなります。

スマートハウスは、太陽電池や蓄電池、エネルギー制御システムなどを装備した、創エネ、省エネ、蓄エネ型住宅を指す。

スマートホームはIoTを軸にし、利便性・快適・安全を追求した住宅システムを指すことが多く、スマートハウスは、創エネ・断熱・HEMSを軸に、省エネ・節約を追及した住宅そのものを指すことが多い

Wikipediaより抜粋

社会的背景〜なぜ、今エネルギーマネジメントをする必要があるのか〜

①日本の低いエネルギー自給率(2019年度は12.1%)→世界情勢により電力価格が上昇する可能性

※そんなこと知ってるわ、という方は下まで飛ばしてくださいね。

日本はエネルギー資源が乏しく、エネルギー源として使われる石油・石炭・液化天然ガス(LNG)などの化石燃料はほとんどなく、海外からの輸入に大きく依存しています。
歴史を紐解くと、1970年代の「オイルショック」をきっかけに化石燃料への依存度を下げようとエネルギー源の分散が進んだものの、2011年の東日本大震災の影響で国内の原子力発電所が停止し、ふたたび火力発電が増加したため、化石燃料への依存度は84.8%(2019年度)となっている状況。

化石燃料を輸入に依存するということは、国際情勢の変化や為替の影響で価格変動リスクが高まるということを意味します。

最近では、ロシアによるウクライナ侵攻を理由として、2025年に向けてグローバルな「LNG争奪戦」がより過熱する可能性が高いということが話題となっていますよね。

以上より、2023年以降も世界情勢を鑑み、電力料金の上昇・変動リスクは避けられない、と考えました。

電気料金の変化。意外と変動していることが分かります(経済産業省 資源エネルギー庁HPより。https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2021/002/)

②自然災害、サイバー攻撃→電力の安定供給が脅かされるリスクの増大

日本は地震や台風などの自然災害がそもそも多く、また、災害の激甚化や頻発化が叫ばれるようになっています。
イメージしやすい例で言うと、例えば、地震や台風などの災害で電柱が損壊してしまったら、「幹線道路沿い」など条件が揃わなければ早期の復旧は難しいでしょう。国土交通省が無電柱化や「地域間送電網」の拡充を進めていますが工事完了までには5年以上の期間を要するようで、現状の国家予算・予定通りに進むのかも分からない状況だと思います。

津波以外の水害被害額の推移(https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r02/hakusho/r03/html/n1112000.html)


また、世界情勢としてサイバー攻撃の矛先が電力システム関連に向かうことも想定せねばなりません。
ウクライナでは2015年に電力会社に対するサイバー攻撃によって大規模停電が発生し、22万5千人の人々に影響を与えました。日本はまだこのようなインシデントは起きていないものの、対岸の火事だと言っていられませんよね…

2023年以降も自然災害やサイバー攻撃等による、電力の安定供給が脅かされるリスクは無くならない、と考えました。

なんだか目を背けたくなる事実ばかり……

タイミングやライフステージの変化に合わせて🏡

とは言っても、スマートハウス化・電力の自給自足は、工事が必要で費用もかかり、きっかけがないとなかなか踏み出せないもの。
わたし自身がスマートハウスに取り組もうと考えたのも、地方移住(引っ越し)がきっかけです。

引越し前の家は、賃貸の木造一戸建てで、太陽光パネルの設置はハードルが高かったのですが、引越し先が「重量鉄骨」の一戸建てのため、重い太陽光パネルを屋根に乗せても家の躯体を傷める心配がほぼなく、ぜひ太陽光パネルを屋根に載せたい、と考えました。

例えば10kWの発電量を確保しようとすると、東京でパネルを25枚(各パネル1.1m✖️1.7m)ほど載せる必要があり、屋根の形状によって配置できるパネルの数が大きく変わることもあり、地価の高い都内だとハードルが高いです。(現在、太陽光発電を自宅でされている方の平均発電量が3~5kWとのことなので、目的によりますが)

近々引っ越しあるいは自宅のリフォームの予定がある方は、家の屋根でどの程度の発電量が見込めるかシミュレーションしてみてはいかがでしょうか(特に太陽光パネルを屋根に設置する際には足場の設置が必要ですので、屋根のメンテナンスをするタイミングがベスト)。

↓簡単に発電量をシミュレーションできます

スマートハウスを目指そう🏡

一般的なスマートハウスの定義

冒頭に記載したスマートハウスの定義を再掲します。

スマートハウスは、太陽電池や蓄電池、エネルギー制御システムなどを装備した、創エネ、省エネ、蓄エネ型住宅を指す。

Wikipediaより

つまり、太陽光発電システムを使って電気を創り、省エネ家電などを使って賢く電気を使い、余った電気を蓄電池システムを使って蓄電する。これらの循環をHEMSシステムを使ってコントロールする住宅のことです。

スマートハウスの3種の神器は、「太陽光発電システム」、「HEMS」、「蓄電システム」の3つと言われます。

3種の神器を詳しく知ろう💇‍♂️

①創エネ:太陽光発電システム

家庭で作れるエネルギーというのは、太陽光発電システム、そして給湯システムであるエネファ-ム(家庭用燃料電池)に限られます(水力や風力発電は、さすがに住宅での発電には不向き)。

我が家では、高額な費用がかかるエネファームは今後検討することとし、太陽光発電システムのみ導入することに決定。10kWの発電を目指します。

②HEMS

太陽光などの再生可能エネルギーの特徴として、発電量が一定ではなく天候や時間帯に影響を受けるという点があります。特に太陽光は昼間の晴れた日によく発電できますが、夜間は発電できません。しかし、家庭では夜間でも悪天候の日でも電気は必要となりますから、太陽光発電で充分発電できないときには電力会社から電気を買ったり、次に説明する蓄電池から給電するという仕組みが必要となるのです。このようにうまく電力の配分を行うシステムをHEMS(Home Energy Management Service)と呼びます。

③蓄電システム

昼間に太陽光で発電した余剰電力を貯めるのはもちろん、電力会社の単価が安い時間帯に電気を買い、貯めておくための蓄電システム。太陽光発電だけで家庭の電力が賄えないときや停電が起こった際には、電力会社に頼らずに蓄電システムから給電して家庭内で使うことができます。

蓄電システムとしては、"蓄電池🔋"を購入する方法のほか、電気自動車(EV)を購入し蓄電池として使う方法もあります。後者の場合にはV2Hという機器が追加で必要です。
我が家は後者を採用し、電気自動車(IONIQ5、72.6kWh)とV2H(EVパワーステーションプレミアム)を導入することにしました。

※V2H(”Vehicle to Home”)とは、EV/PHV/PHEVのバッテリーから電力を取り出し、分電盤を通じて家庭の電力として使用できる仕組みのこと。V2Hというワードから、一方向(V→H)の充電だけかと思われるかもしれませんが、実際は双方向の充放電が可能で、EVの充電スタンドとEV向けのパワーコンディショナーという、2つの役割を1台で果たすもの。

以上の3種の神器があれば、スマートハウス化が可能ですよ。

2022年以降、東京都では急に「HTT」というキーワードが使われ始めたのですが、電力をH減らす・T創る・T蓄めるという略語で、スマートハウス化で実現できることと近いので、ぜひこの機会に覚えておきましょう!

東京都HP(https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/climate/tokyo_coolhome_coolbiz/index.html)


少し長くなってしまったので、今回はここまで。

次以降の記事では、我が家のスマートハウスの構成、それぞれの導入の様子、発電量の理論値と実現値、そして皆気になる「元がとれるのか問題」などなどについてなど書いていきたいと思いますので、こちらのマガジン登録をお忘れなく〜。

また、質問や気になる点、応援などコメントいただけると励みになります💪

お仕事やインタビューはこちら

最近、電気自動車生活に関することや、電気自動車のバッテリーを蓄電池として使うこと、エネマネ関連などでインタビューなどを受けることが多くなってきました。

インタビュー、仕事の依頼はこちらからいただけますと幸いです。

現在、太陽光発電は自宅の屋根のみ(10kW)で実施、電気自動車はIONIQ5(72.6kWh)を導入しています。
V2HはニチコンのEVパワーステーションプレミアムplusを導入予定です。
※ニチコンの供給が間に合っておらず、施工は1月になる見込み

参考文献

国のエネルギー政策について(令和3年10月11日 資源エネルギー庁)
https://www.city.unnan.shimane.jp/unnan/kurashi/bousai/genshiryoku/files/02_enecho211011.pdf


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