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七木香枝
2020年6月21日 16:07
数年前、家族の希望で名字が変わった。いろんな都合があってのことだったけれど、もともとは、結婚で改姓した母の「自分の名前に戻りたい」という気持ちに端を発したことだったので、私は反対しなかった。それはそうよね、と思って。多少不便だけど、その気持ちはわかるなと思ったのだった。「名前が変わってしまうこと」について自分があまりに無自覚だったなと気づいたのは、届けが受理されてもとの名前に戻ったと喜ぶ母に
2019年9月12日 00:05
鏡を見るのは勇気がいる。毎朝、勇気をふりしぼるようにしてこわごわと覗く銀色の四角には、眠たげでゆううつそうな私がいる。そうして鏡の中に自分を見出すとき、いつしか私は(あなたの顔がよく見えない)とぽつんと思うようになっていた。自分の顔がいったいどんなのもので、肌の明るさだったり何が似合うのかということすらも、なんだかよくわからなくなってしまっていた。気にしていないようでいて、その実私にも自分が
2019年9月5日 23:52
「あなたのイメージだったから」とか「何となく目にとまったから」と添えられて、思い出したように花を一輪いただくことがときどきある。その都度、家にあるありあわせの瓶に挿すのがしのびなくて、ずっと花瓶を探していた。私の部屋に合うデザインで、いろんなお花に似合いそうで。あまり場所をとらなくて、でもいつも目に入るところに置けるようなもの。そして、机に積んでいる本がなだれてしまっても恐ろしい思いをしなく