死のうと決めたらまたシオンに怒られてやめざるを得なくなった話。

優しさの基準は人それそれで、誰かからの優しさが、必ずしも私にとっての優しさとは限らない。
なのに、その「優しさ」を正しいものとして、自分を悪だとなじるからこういうことになるのだなと思った。

援護射撃は背中からの母の言葉で。
私はそれも避けようがなかって。

衝動的に物壊したくなって、あー嫌だなって思ってたらやっぱりシオンで。

ひとしきりぶちギレた後お説教された。

なんでそんな奴らのためにお前が死ななきゃならないわけ。

シオンが正しい。
なんで私が死ななきゃならないのか。

お前が苦しい時、助けてくれたか。
「大人」だからと触れずにいたのがあいつらの優しさだって言うなら、それはおまえにとっての優しさとは違う。
お前、間違ってないよ。
誰が悪いとかでもなくて、死にたくなるくらいならもう会うな。

いい人の優しさほど苦しいものはない。
少なくとも私は辛くなる。
とても惨めだ。

私が欲しいものを持ってる人たちが、私を気遣う。
振りをする。
そう感じる自分が嫌で、嫌な気持ちばかりが溢れて止められなくて、ああ、消えるべきは私だと、正しい心がそう叫ぶ。

それをシオンはぶった切っていく。

お前にとっては偽善にしかなってないと。
そこに何の意味があるんだと。

*

そもそも俺はあいつら嫌いだし。

アオイもお前もお人好しが過ぎるんだよ。
何で自分よりも、それも利になってない相手を庇おうとすんだ?

道が違うなら会う必要なくないか?

それより俺からのり塩ポテチを食う権利を奪うな。
死んだら食えねぇ。

シオン

*

明日なんか無かったはずの私にも明日が来ることになったので寝ようと思います。

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