人格との会話について/解離性同一性障害

解離性同一性障害、いわゆる多重人格のことです。
解離によって自己の同一性を保てない、同一性に障害があることからこう呼ばれます。

他者から見ると人が変わったように見えることは有名ですが、今回は当事者、中からどんな様子かをお話ししたいと思います。

まず前提として、他の人格の声が聴こえますが、統合失調症の幻聴とは異なります

統合失調症の方は、実際に外から声が聴こえてくるそうです。
また、自己が中心となった幻聴が多いように思われます。

例えば、××さんが私をなじる声が聴こえる。となると、その方の世界ではそれが疑いようのない真実となります。
聴こえてくる声そのものがその方の世界と成ります
 
その為、突然「××さん!なんで私の悪口を言うんですか?!」と××さんにとっては寝耳に水な出来事で揉め事となってしまいます。

統合失調症の方でも治療が進むと、幻聴であるかどうかの判断が出きるようになるので、様子のおかしい方がいらしたら早めに受診できるのがよいかと思います。

統合失調症は幻聴が主であるのに対し、解離性障害(解離性同一性障害含む)は幻視(黒い影を見たり)が多いとされます。

では解離性同一性障害の人格との会話についてです。

統合失調症の幻聴とは違い、声は頭の中で聴こえ、はじめは大概は自分がおかしくなったのかと疑います。
他者ではなく自己を疑うわけです。
ただし、幼少の頃からですと「みんなもそういうものだと思っていた」という方もいらっしゃいます。

勝手に際限無く聴こえてきて困る、ということもあります。
声になら無い声たちで頭がいっぱいになるような感覚に悩まされることもあります。

そもそも人格が多数あるとはどういう状態かというと、記憶の断片が強いストレス下において、断絶、隔離され、それが異常な形で進み人格化へと至る、との説があります。

説がある、表現しましたが、解離性同一性障害についてはまだ不明な点が多すぎるためわかっていないというのが正直な現状ではないかと思います。 

私の主観では、記憶だけでなく、強い感情が核になっている人格さんもいると感じ受けます。

他人格さんとの会話は、できる相手とできない相手がいます。

相手が拒否している場合、当然できません。
相手が何らかの不都合な状態、例えば体調を崩してる場合もできません。
こちらからは相手の存在が見えていても、相手がこちらを認識できていない場合もできません。

相手からこちらに話しかけてくることもあります。
ただの日常的なおしゃべり。
忠言や、苦情じみたこと。
色々です。

基本的に表に出ている「私」と内部とは切り離された状態にあるため、中の状態を知るには中を覗き込まなければなりません。
その為、うちの場合、私の知らぬ間に内部で何やらか起きていると、誰かが「少し揺れるよ~」だとか、お知らせしてくれる子がいます。

他人格さん(交代人格と呼ばれる人格)同士の井戸端会議が聴こえてくることもあります。
つまり私に話しかけているわけではない会話が聴こえてくるわけです。
話の一部なので、大概何の話なのかわかりません。汗

人格の交代という方法を使って、身体の支配権を交代させながら会話することもできます。
頭の中でなく、自分の口を使って会話するわけです。

これは疲れる方法なので、私は大事な話の時にしかやりません。

内部での会話がどのように聴こえているかと言うと、声質がそれぞれちがいます。
人間と一緒です。

あとは、口調や見える色で判断することが私は多いです。
まぁ、誰であるか相手に直接確認すればいいだけの話ですが。

人格さんと会話することで、その人格さんの気持ちをなだめたりすることができます。
この辺は、人間同士の密な付き合いと同じです。

人格さんにもそれぞれの価値観や物事に対する認知の仕方、感情や感受性があります。
なので、人付き合いと変わりはありません。

また、中には暴れることが役割(と言うとちょっと語弊がありますが)の人格さんもいますので、どうにか暴れずに済むよう話し合ってお互いの相互理解を深めることが大事だと思っています。

以上、解離性同一性障害による人格さんとの会話についてでした。

※解離性同一性障害は個々人の差が激しい障害のため、あくまで私個人の場合についてお話しさせていただきました。

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