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あぁ、不機嫌さん達よ


私は、不機嫌になってバッタンバッタン音を立てたり、何かしらここぞとばかりに人責めたり、何時もは話すのにあからさまに無視をする、そんなタイプの人が苦手だ。
というか、その場の怒りの空気が好きじゃない。


それを多めに出す人がいると、気持ちはもちろん重くなる。
気にしなきゃいいって?行動が粗野で気になるのよ。空気悪けりゃ換気したくなるのと同じよ。換気出来ないから困るのよ。

さて、そんな彼、彼女らは何故そのように荒ぶるのか。
私は「あの人、不機嫌で嫌〜」って陰口だけ達者な人間にはなりたくない。
たとえ、愚痴をこぼすことがあっても、それについて考えてみるくらいの余裕は持っていたい。

支離滅裂モンスター級のクレーム大王でもなければ、必ずその不機嫌さには理由がある。


私が見てきた不機嫌さん達にはいくつか特徴がある。

・自分のキャパシティ以上の行動をしている
・口と行動と思いと身体が一致していない
・せっかち
・何でも自分でやらないと気がすまない
・マイルールが多い
・体調不良
・家庭環境に問題がある
・思い込みが激しい
・説明が下手
・その人より上の存在が放置型


等々。他にもあることだろう。書ききれない。


単発的な不機嫌はだいたい「体調不良」だと感じている。
前後の日にその人が嫌がるような出来事が無くて、朝から不機嫌だった場合、だいたい体調不良。腰痛、頭痛の場合が多い。
この場合は、相手を労ると不機嫌が軽減するのだが、不機嫌さんあるあるで『痩せ我慢』している場合が多い。
不機嫌さんは、『自分は出来る!』というのを心の支えに頑張っていたりするので、病気などは『自己管理が出来ていない!』と感じたり、本能的、無意識的に弱さを見せたくない人が多い。

この場合、こちらの有効打としては
「あれ?なんか今日、元気ないですか?」
だ。
あなたの心配してますよ。私に話してくださいね!の心配りの言葉。
これがヒットすると
「今日、頭痛い」
などと話してくれるので、痛みへの共感と、痛い体をおしてその場にいてくれる感謝を述べると、大変良好な空気が生まれる。

このときに「大丈夫」とか「え、別に悪くないけど」と返ってきたら
「よかったー!なんか具合悪い顔にみえて心配しました。ほんとうに具合悪い時は無理しないでくださいね」
大切なのは「あなたをみていますよ」というメッセージである。


これが、積もりに積もったものとか、プライドに関わる事柄不機嫌になると、扱う方はかなりの慎重さを要求される。
ここで、まずいのが不機嫌さんと不機嫌さんが正面衝突を起こすことである。
そうなると泥沼の怒りの圧掛け合い大会という、誰も嬉しくない大会が開催されてしまう。
もう一つまずいのが、立場の弱い人がとにかく不機嫌の矢を受け続けるパターン。
これは矢を拾いに行こうとした人もやられる可能性がある。場外にも矢が飛んでくるので見極めて躱すか折るしかない。

だいたいこのパターンは、不機嫌さんよりも権力のある上層部(または近いし人間)が、不機嫌さんの頑張り(目に見えにくいもの)を蔑ろにしているか、不機嫌さんとしては力いっぱい頑張っているので、評価するには足りなくても褒めてほしいと無意識に思っている事で起きている気がする。

さて、このパターンに巻き込まれる不機嫌さんよりも下の人が大変。
我が職場ももれなくコレにブチ当たっている。
幸いなのは不機嫌さんがほっておけばある程度回復していくということと、体調不良を気にかけてあげることで少し気持ちが和らぐ傾向がある事だ。あとは、あまりに素直に不機嫌(本人も多少自覚あると思う)なので、容易に避ける事が可能である。(ただし、避けすぎると「無視してる」「こっちは悪くないのにシカトする」という被害妄想を生む危険があるので適度に相手をする必要はある)


私は比較的、当たりやすい存在らしい。
「せっかち組」には目をつけられやすい。
私としては相手に求めるタイプの「せっかち」はなんの得にもなってないよと言いたい。
とりあえず嫌味としての指摘(理不尽、もしくは無駄にトゲのある言い方)は「そっかぁ」と返している。
不機嫌さんは、かなりムカつくと思うが、それが私に当たるということなのである。


不機嫌さんは行動と言葉と思いと身体が噛み合っていないので
たとえ正しい事を言っていても「それおかしくね?(理不尽じゃね?)」と思われてしまうことが多いように感じる。
他人に求めるものが大きく、そのうえしっかり発言しない(これくらいわかるでしょ、察して)という期待がおおいにある為、その期待値に達しないとストレスを感じてしまうのだろうが、人は皆エスパーじゃない。

不機嫌さんは、勝気で自分が一番でないと気がすまない人達も多いので
仕事をただ無言ないし自等考えて手伝うだけでは満足しない。
むしろ「(仕事してない、できてないという考えで)自分への当て付けにやってるんだ!(なかなか不明な思考だが本当にこう思っているというのを他者の愚痴を聞かされ確認済)」というのまである。
こうなると、なかなかにお手上げである。
が、ここでもし機転を利かすなら
行動より先にお伺いを立てるのがいいだろう。
勿論、仕事の上で大事なことではあるのでしている人も多いだろうが、多少の盛り上げというのが必要になる。
「これこれこうしようと思うけど、いかが?」
そして不機嫌さんからのアドハイスには
「なるほどね!そっか!そうしてみようか!」
と乗ってあげる。そして、終わったら「うまくできたよ!ありがとう」

不機嫌さんの中には「いやいや、好きにしていいよ」などと言う人もいるが、これは罠である。
好きにしては大抵駄目であり、何かしらの意見があるなら取り入れて欲しいと切に願っているのが不機嫌さんの正体である。そして、その考えや、そのことについてどれだけ考えているかを褒めてほしいのである。


この「褒めてほしいのである」
ここがミソであり、難しいところである。



会社で上司の立場におられる方々に言いたい。
もっと褒めろ。


部下的な立ち位置や、弱い立場のものからのヨイショには限界がある。 
なぜなら、不機嫌さんの不機嫌理由に「認められていないと感じるストレス」があるからだ。
認めてくれる相手は大きい存在であればあるほど好ましいのである。
いくら下(と思っている)の人間が認めたところで、それで満足するような感情コントロール力のある人や、感情コントロールする余裕のある人は、慢性的な不機嫌さんにはならないのである。

大人を褒めるって難しい。
出来る事を今一度褒めるって難しい。

私が犬の訓練士の学校に通っていたとき
一番課題だったことも褒める事だった。

咄嗟に注意の言葉はでても、咄嗟に褒めの言葉は練習しないと案外出ないものである。
なぜだろうね…。

当たり前でも労いの言葉や、感謝の言葉は必要で、それはとても良好な関係を築く術なんだよね。


不機嫌さん達は様々な理由から、不機嫌になるわけで一概にこれが正解というのはないが
「なぜ不機嫌なのか」を紐解こうとすると、案外「なるほどなぁ」「そういうのあるよなぁ」と思えたりして、不機嫌に曝されても、少し耐性がつくので私的にはオススメ。

怒りというのは巧妙に隠しても漏れでるモノ。
だから、自分が何か不機嫌だなと感じる時は自分に寄り添い、相手には期待しない。
「身体が辛いかい?」「確かにあの態度はむかつくよなぁ。」「(怒)」
怒ってもいい。不機嫌もある。
しかし、人に向けてもいいことはないと知ることは大切である。
そして、不機嫌でない時に、相手に伝えたいことを伝えてみると、思いの外すんなりいくので、タイミング。タイミングなのである。

と、そのような事を考え、まとめ、本日(正確には昨日)の理不尽な態度を取られる一日に感じた私の「おこってるひと、こわい」というストレスを宥めようと思う。

不機嫌さんが悪いとは思わない。
良くはない。いい態度とはいえない。
けれど、そこに理解されない悲しさや、辛さがある事を周りの人は忘れてはいけないと思う。
忘れないで、考えつつ、出来る事をお互いやっていけたらいいなって、私は思うよ。

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