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あめふり にこちゃん。


これは、大好きなノーターさん 小牧幸助さんの作品「麦茶の雨」から思いつき、私なりに 小牧さん風に仕上げさせてもらった 大好きアピール作品です。

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「あめふり にこちゃん。」


にこちゃんは 大都会に引っ越してきたばかり。
見るとこ 見るとこ 高いビルがそびえたっています。
にこちゃんは 緑の香りと 風の匂いが恋しくてたまりません。
新しい 小学校に入ってから ぐーーんとおしゃべりも減りました。
隣の席のマコト君は いつも にこちゃんを笑います。
変な言葉づかいだと。
みんなと仲良くなりたくて、沢山おしゃべりしたいのに。


ある日 にこちゃんが門を出ると ピンク色した雨雲が 見えました。
綿あめみたいな ふわふわした雨雲でした。
にこちゃんは 前にも こんな雲を見たことがありました。
おばあちゃんと一緒に とぉーおくの村で。


田んぼ道を歩いていると
キラキラと田んぼがピンク色に染まっていった そんな午後。
わぁーっと声をあげた にこちゃんを見て
優しい笑顔で そっとおばあちゃんが言ったのです。

”こりゃー あめがふんな。”


大好きな大好きな おばあちゃん。
ビルの間から見える ピンク色の雲を見上げながら にこちゃんがポツっと呟きました。

”こりゃー あめがふんな。”

後ろからマコト君の笑い声が聞こえました。
周りにいる同級生も お腹を抱えて笑っています。

”飴” じゃなくて ”雨”だろーーー!!!

するとコツっとマコト君の頭の上に 何かが落ちてきました。
コツ コツ コツっと それはみんなの頭をならします。

”わぁーー!! 飴 がふってきたぁー”

皆は 空を見上げながら 両手いっぱい広げます。


”だから言ったべ”

にこちゃんは 優しくマコト君に笑いかけました。



あとがき:

それからというもの…にこちゃんの周りには 沢山の友達が集まります。
”にこちゃん?今日は 飴がふる???”


おしまい。



スペシャル サンクス トゥー: 

小牧幸助さん。いつも小さな幸せを どぉーんと私に届けてくれる。
「幸せ空間」を作り出す 魔法使いのライターさんです。
私の好きな 最近の小牧さんの作品を 今回の物語の もととなった「麦茶の雨」と共に少しご紹介します。

こちらが小牧さんの「麦茶の雨」。雨が好きになれる 深いコクのある香りが漂ってくる作品です。

夜空を見上げると 降ってきた。大切な愛が 一本の糸で繋がれる物語。

人だって、動物だって 善は善を運んでくる…人間の恩返し物語。

三歩あるくと忘れてしまう、そんな私だから…素敵な義理堅き物語。

そのほかにも…というよりも 好きな作品を全部載せたら、小牧さんの作品を全て載せる事になってしまうので とりあえずこの3つをご紹介させていただきます:)是非 小牧さんの魔法の世界に行ってみてください:)


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

七田苗子











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