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MBAの価値(再考編)

ここ5年間の自身の社歴を整理してみる。
2017.08 MBA留学 (実はこの間、総合職2→1へ”昇進”
2018.12 MBA修了
2019.01 帰国配属 (生産技術職。組織開発に注力)
2020.10 管理職”昇進”  
2021.04 公募異動 (技術開発職)
2021. 10チームリーダー拝命
2022.07 グループマネージャー”昇進”

MBA総括」を執筆したのは、MBA修了時のタイミング。
”平成の秋山真之になりたい”と思っていた私は、海外から見た日系企業の課題を”大本営”に相当する本社に伝えようとしていた。帰国後の当時は1年半のプログラムで得た学びや今後の展望について発表する機会があった。

管理職への昇進は入社8年目であり、総合職であれば順当なタイミング。
当時は、留学中にも関わらず一時帰国し昇進審査を受けたり、1年半留学によって社業で実績を残せていないのに、他の社員と同じタイミングで管理職昇進を人事部に打診してくださった二人の上司にひたすら感謝した。

実は職位グレードによって社内公募でチャレンジできる内容には差があり、管理職であることから、開発テーマの”責任者”として異動できた背景がある。ちょうど公募制度が始まったのこの管理職昇進が決まったタイミングであったので、いま振り返るとなかなかスリルな展開。

異動後は、社内でなかなか成功事例のない新規事業開発において、1年弱の準備期間とそれまでに得た知見をフルに生かして、”担当者”として向き合う働き方をしている。その記録は”新規事業開発編マガジン”に残している通り。(気づけばもう30本も書き続けていた。)就任当時の初々しい気持ちはこちらのnoteに記録している。

そんな”担当者”意識の強い働き方をしていたので、新規事業開発には3年スパンで取り組む計画。所属組織のマネージャーになることはもっとその先の展開だと思っていた。”担当者という立場でしかできないこと”がたくさんあると考えており、今しかできないことに全力だった。(例えば、社外メーカーに乗り込んで仮説検証テストをするのが大大好き)

ところがどっこい、チームリーダーに拝命してから3カ月後にキャリアとしてマネージャーの希望を聞かれる。当時は上記の考えを伝えてやんわりと否定。しかし、さらに3カ月後に再び問われて引き受けることに。引き上げた上司の言葉によると、この任命は現在関連している事業部強化と私自身のキャリアアップを目的としているとのこと。”担当者”である肩書きを失うのは怖かった。しかし、事情は理解できた。

かつてグループマネージャーおよび課長職にスポットライトを当てた組織開発を一般職の立場で展開した。2年後にまさか自分がそのポジションになるとは想像できていなかった世界。会社全体をみても、自身のこのタイミングでのマネージャーグレードへの昇進は、MBA留学がなければ生まれていなかったと思う。

(さて、1つのテーマ責任者と、私のようなテーマ責任者を複数抱えるグループマネージャーでは働き方が全く異なってきます。内示期間を終えてオープンされた今、その準備を本格的に業務時間内に実施することになりました。

いわゆる”職制”になり、メンバーの評価をする立場になります。メンバーからするとまだまだ私は異動してきてから1年強の”新参者”であり、グループのことを全て見渡せている訳ではありません。書き連ねるといろんな懸念点はあるものの、その対応については次回の記事に委ねるとして、本タイトルに主題を戻します。)

MBA留学で得た胆力と箔は、その後の活動において強力なブースターになったことは間違いない。一般的にはMBA取得後にキャリアチェンジを実現し権限と年収を高める例がほとんどだが、社費留学であったとしても派遣先企業に貢献しながら昇進できる一つの事例が生まれた。

昨今、人材流動性が高まり1つの企業で定年まで働き続けることなく転職を繰り返すスタイルも受け入れられている。むしろ推奨されているぐらいだ。だが、MBAで経営視点を持ち、愛着のある企業を内側から変えていく試みも一つの醍醐味ではないだろうか。

日本は大企業が資本を持っている。ただその資本の使い方は上手ではないと言われている。社員のオーナーシップ不足にも悩まされている。正直、課題は多い。組織の”歯車”という認識を改めて、より良い組織へと変えていく。視座が高めて仕掛ける側にまわれば後から評価はついてくる。

どんなストーリーにせよ、一度所属組織を離れて世の中を俯瞰的に見つめ、自身の人生で成し遂げたいことに向き合う時間は大変有益だと思う。このような自己体験から、MBA留学の相談を受ける際には100%、僕はその挑戦を後押しすることを決めている。

今は離れた点と点であっても、遠い将来に交わるタイミングがきっとくる。立場は違えど一緒に社会を良くしていく。そんな日々を夢見て、仲間と自分を鼓舞して生きる。

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