『古今著聞集』刑部卿敦兼と北の方02(ゆるい解説 & 雑記)
古典では、雅楽の篳篥(ひちりき)という短い縦笛がちょこちょこ出てきます。
実はわたし、MY篳篥を持っています! 写真が ↓ こちら。
(大きさ参考に500円玉も載せます)
縦笛って言っても、長さは小学校のリコーダーの半分くらいかな。20センチもない気がする。小さな見た目に似合わず、吹けばぷわーっとかなり力強い音が響き渡ります。
有名なのは東儀秀樹(とうぎ ひでき)という雅楽師で、音楽の教科書にも載っているそうです。それも人物紹介のコーナーではなくて。氏が雅楽を宮内庁の楽部が演奏している写真の中から一人を指さして「コレ、僕です」とテレビで言っていたのを見たような覚えがあります。
音に聞き惚れ、CDを何枚か買って音の勉強をしました。
20年ほど前の記憶が確かであるならば、篳篥購入時のパンフレットには3種類しか載っていなかった気がします。その3種類とは……
・1万円の樹脂製
・10万円の竹製
・100万円の漆塗り製
初心者のわたしは、迷うことなく樹脂製(↑上の写真)を買いました。
わたしはもともと西洋楽器のサックスというのを吹いていたのですが(アイコンに使っている金色の楽器です)、和楽器である篳篥との違いにはなかなか面白いものがありました。
① 篳篥はダブルリード
サックスはシングルリードと言って震えて音を出す部分が1枚なのですが、篳篥は2枚で、これはオーボエやファゴットと同じです。
この震えて音を出す部分であるリード=蘆舌(ろぜつ)だけでも3000円ほどだった気がします。
② 篳篥は緑茶が必須
篳篥を吹く際には、そのリード=蘆舌(ろぜつ)を、ぽちゃんと湯飲みの緑茶に浸します。カテキンの殺菌効果か、西洋のリード楽器よりも清潔な気分になりました。
③ 篳篥は譜面がカタカナの縦書き
本当に面食らったのはここです。さすがは和楽器!
譜面はアヤシイ呪文のようなカタカナの羅列で、その縦書きのカタカナの右側には、ときおり漢文のルビのように「、」が付いていることも。
結局は耳で音を取ったほうが早いなと、譜面に関しては不勉強のまま放ってしまったのでした。指使いがサックスに似ていたので、そこはやりやすかったです。
ともあれ本当にいい音色の楽器なので、とりわけ東儀秀樹のCDはおすすめです。
古典の有名どころでは、篳篥を吹いたら感激して泥棒が改心した、なんて話もあります(『十訓抄』博雅の三位と鬼の笛)。
初読では「大げさな」と思いましたが、エンタメや芸術に触れる機会がなかった時代にはそういうこともあったのかなと思わせるほど、篳篥は素敵な音です。
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