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積み重ねた時間の大きさよ #11 旅 インド④

インドのラジャスターン地方には、色のついた街がたくさんある。赤の街ジャイプル、青の街ジョードプル、黄金の町ジャイサルメール、白の街ウダイプル。時間はない。ならば青の街が見てみたいなあと思い、寝台列車で向かう。

今日は一等車だ!と思いルンルンでオールドデリー駅へ。プラットフォーム3番。東京駅の京葉線かよ、というくらい遠い。400mくらい歩き、20両ある電車の一番奥に一等車があって、一等車って何だろうなと思った。

スプライトだけ買って乗り込み、ここから暫くは孤独だ。何せ日本人は少ない。この地に住んでいる日本人も今回の宿に勤める人ただ1人らしく、情報を得るのも楽しむのも大変。宿は城壁の中のクロックタワーの近くだ。

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お宿。多くのゲストハウスは屋上にレストランを持っていてメヘランガール城砦を見たり、ちょっと喧騒な街を見下ろしながら、食事を楽しめる。宿の人曰く、ゲストハウスとレストランは最近流行り出したビジネスらしい。どこもかしかもゲストハウスだらけで、私も新しいビジネスを見つけないと、なんて言ってた。

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前の宿もそうだったけど、インドの安宿はだいたい吹き抜けを持っている。ほんの気持ち明るいのと、空気が抜けるようになっているのだ。この吹き抜けの下はまさかの一般の路地である。

さて、何と言っても青い街を眺めたい!と思って城砦に登って行った。

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少しずつ登っていくと、なんとなく街の全貌が見えてきた。日本とは全然違う、屋上も彩りのある街だ。地平線の空気の近くには大きなモスクが。この上から祈りとか思いとか、テレパシーを馳せたのかもしれない。

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城壁の上に座って暑い中スケッチをしていたら、たくさんのインド人が真横から見てきた。シナ人は物珍しいのだろう。一緒に写真撮ってよ!と言われインド人の誰かのアカウントからまさかのTikTokデビュー。

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メヘランガール城砦は今回の旅のなかで最も圧巻された城砦建築となった。入場料こそ600ルピーとお高めだが、とても広いので割に合うし、日本語の音声ガイド機もついてくる。彫刻が素晴らしい。一回も落とされたことがない最強の城。

本物の日本語音声ガイドさんが、たくさんの建物群でできているけど、どの建物も広場や道に面していて、増築ができたと教えてくれた。

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城に向かう道ではなくて、城のなかでこのスケールである。増築しまくったら大きくなった。しかも無敵に。

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そして、こんなにも煌びやかな文化ができた。

階段井戸も街もたぶんそうだ。

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階段井戸も普通はこれほどまで掘れないし、掘ったらこんなに涼しいと気づくまでに何百年とかかっただろう。

街もきっと、城を守るために複雑にしてみたら、気づいたらものすごい風景を作り出していた。

これから何かを創る人になるかわからないが、時の重みほど強いものはないなと感じさせられた。

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この日は偶然お祭りだった。一日中音楽がまあうるさい。どこにも中心がないフラットな祭り。同時にそれぞれの集落で勝手にわめいてて、けれども、お祭りとしては一体感がある不思議な感じがインドらしくて好きだった。夜になって、お祭り過激派が宿の目の前の道に現れ、トラックの上でパリピミュージックを流し、後ろではインド人が踊りまくっている。その後ろに、伝統衣装を着て馬に乗っている人が大変澄ました表情で続いていて、笑いそうなった。





最後まで、ありがとうございます。糧になります。