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大人になった今でも怯えている父の暴力。①

わたしが小2のころ、母に尋ねたことがある。

“なんでお父さんと結婚したの?”

別におませな女のコが
両親の馴れ初めや結婚の経緯に
興味があったわけではない。

なぜこの父という人間を選んだのか、

理由が聞きたかったのだ。

母が“父”と結婚した理由を知れば、

そういう良いところもあるんだ、と

好きになれるかと思った。

でも、母は困ったように笑って

「なんでだろうね」

と答えた。

父と母の口論は、激しくなっていくと

父が大声で

「うるせぇな!」
「いい加減にしろ!」と

顔を真っ赤にして

拳をかたく握り締め

目を見開いて怒鳴る。

そして母は、
怯えた表情で口を噤む。

そんな姿を見てきて、母にこうも尋ねた。

「なんで離婚しないの?」

その頃の自分は

わたしたちのために離婚してよ、

という想いだったとおもう。

母は

「離婚したいね〜」

といって誤魔化した。

小学生のわたしは考えた。

お母さんは専業主婦だから、
お父さんと離婚すると
生活していけなくなってしまう。
だから離婚できないんだ。

わたしの中から

“両親が離婚して父から離れる”

という選択肢は消えた。


そして同時に

これからも

理不尽で

感情的な

父の“怒り”という地雷を

いつ踏み抜いてしまうのか、


万が一踏んでしまったとき

脅し、罵倒、暴力に

怯えながら生きていくしかないのだと


絶望した。

諦めた。

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