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ドラム缶(200Kg)の営業納品の反動から、無形財を扱う仕事へ…25年後の今【後編】

前編から続きます…


教育業界へ転身した、不純な動機


拉致がない日でも、毎日24時、25時まで働くので体力は消耗し、同時に気力が低下していきました。

入社して半年以上経った頃だったと思います。キャンペーンセールをしたことで、勢いよく200kgのドラム缶があちこちで売れたことがありました。

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しかし、納品作業が漏れなくついてきます。納品といっても、配達して終わり、、ではありません。

配送センターに届いたドラム缶を自分の営業車に積み、販売先で降ろします。そのまま、工場などに備え付けのタンクまで運び、専用のホースを使って移し替えるのです。

常に時間勝負でもあり、余裕がなく顧客を訪問する日々でした。
そんな中で二つの危機がありました。

🟡 一つ目は、得意先でオイル噴火?!(噴出)を起こしたこと

バイクショップでやらかしました(笑、、ごとでなかった💦)。

比較的スペースの狭いショップでした。。
店長さんが修理をしている横に、大きな給油タンクがありました。ドラム缶を運んでその横に置き、ホースでつないで注入を始めました。

しばらくすると、200kgのドラム缶がまるでダルマさんのように丸くなっていくのです。経験したことのない状況に焦りまくりました。

焦るだけで圧力調整をしなかったため、その後に悲劇が起こったのです❗️

高い圧力がかかったせいで、ドラム缶からホースがふっ飛んでしまったのです‼️

もう石油を掘り当てたかのように、その狭いバイクショップ内でオイルが噴出して止まらなくなりました。悪夢です。。

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緑色の塗装の床(作業場)が、ゴールドの液体に覆われてしまいました。

新車も置いてあった店内なので、噴出した瞬間に賠償が頭をよぎり、これで人生も終わった・・と思いました。。心臓が本当に止まりそうで、いや、むしろ止まったほうがいいかも、、と思いました。

ところが、その大惨事にもかかわらず、店長さんは決して怒らなかったのです。ただ、オイルを一緒に拭き取ったあとに、スケートリンクのように滑る床になってしまい、「普通に歩けなくてさあー、作業効率が悪くなったよ〜」くらいのことは言われました。

上司との謝罪訪問のあと、数週間経って再度訪問すると、当然その床はまだツルツル状態でした。行くたびに頭を下げます。やはり店長は怒りませんでした。

悲劇の中に聖者がいた・・・

本当に救われました。でも罪悪感が強く残りました。。。


🟡 二つ目は、得意先でドラム缶が足の上に乗ったこと

今度は、自分の身に起きました。

1日に10件以上は訪問するルート営業なので、売った分、作業時間も増えていきます。

場所は確か、カーディーラーの修理工場だった記憶ですが、建物の一番奥のほうに大きな給油タンクがありました。

ドラム缶を転がして奥まで行こうとした時、自分の足の上に違和感がありました。

あっ、、200Kgが、自分のつま先に乗っている‼️

あー、、粉砕骨折は免れないな・・終わった・・・
足から降りたドラム缶の向きを戻し、転がすのをやめました。

恐る恐る足を動かします…

あれ、動く??
なぜだろう・・・

今だに、わかりません。。

本当に不思議ですが、何もなかったんです。神を感じました。

でもその時、頭の中では悲鳴を上げていました。目で見て確かに乗っかっていたんですから。。

給油の後、営業車に戻り、茫然自失の状態でした。

「もう辞めよう・・・」

上司や先輩の中には、売上トップを取り続けた凄腕の人がいました。ロールモデルがいたのですが、社会人1年目の私は、この2つの危機を体験し、気持ちの整理がつかなくなってしまったのです。

営業で、ひきつりながらも笑えるようになり、楽しいと感じられるようになった矢先の出来事でした。心身ともに疲弊し、活路が見出せなくなりました。

先の定期拉致は、その最中でも容赦なくありました。重なりましたね。

ちょうど丸1年経つ頃に、辞表を出しました。白旗を挙げました💧💧

自分の名誉のために一応触れておくと、単に敗北したわけではなく、キャンペーン商品の売上では、営業200人中、1位をとったこともありました。1度きりでしたが(笑)。

次の仕事では、もう絶対に重たいモノは扱わないぞ❗️

そう心に誓い、助かった奇跡の足で、新たな一歩を踏み出しました。



教育業界で25年経った今…


反動から、商品は無形であることを条件に仕事を探し始めました。

転職活動の結果、大手教育系出版社のグループ企業に中途入社しました。

この業界に入ってからモノがない分、さらなる試練(転職含めて)が多々ありましたが、人の成長の瞬間に関われる仕事は、何モノにも変えがたいところがあります。

25年の時を経て、人財育成、教育ジャンルで起業し(6年目)、コロナ禍でもなんとか生業しています。

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無形財の仕事で求められるコト


無形財はモノがない分、初対面の人に会った瞬間に信頼してもらえるような「人柄」であることが肝要です。

これは、よく言われる「提案力」や「コンサルティング力」ではありません。もちろんこのスキルは必要ですが、充分ではありません。

また、人財育成に携わりながら変な言い方ですが、講座や研修で養成できる類のものではありません。

そもそも誰にも備わっているのですが、自ら引き出せない人が多い。。

それは、どのくらい修羅場を経験したか、その経験をどのくらい自分自身が内省しているか(浄化するという意味で、、)だと思うのです。仕事だけではなく、人生経験としてもです。

人柄がにじみ出れば、言葉巧みに相手を説き伏せるようなスキルは要らないと思うんです。確かに「コンサルタント!」と掲げて、ゴリゴリやる営業の方が、場合によってはいい時もあります。でも、そういうやり方は長続きしないんですね。特に今、時代が変わってきていますからね、、

ふと記憶が甦るのですが、

社会人1年目のドロドロの修羅場経験の中で、提案とか商品説明をしなかったときのほうが、簡単に売れた。ということです。

「売れる時は軽やかだった」、、そういう感覚が今だに、いい意味で作用をしている気がしています…

時代が大きく変わり、コロナ禍でテレワーク、在宅ワークの割合が増えましたね。

便利な反面、人柄を活かす浪花節(ナニワブシ)の営業が難しくなっていると感じます。ちょっと困ったことになりました(笑)。

でも、こうやってブログを通して、少しでも人柄をにじませることができらたいいなあ、、と思っています🌈


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長くなりました。

前編、後編とお時間をいただきありがとうございました☀️

感謝🙏🏻

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