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ひとつ

初めてのアクセサリー作りは
20年くらい前
銀を熱したり叩いたりと
硬い素材を使っていた。

就職したのは
希少な宝石をちりばめた
宝飾品の世界。

何百年か先の未来に
いつまでも残るような
貴金属と宝石たち
それらに囲まれて働いていた。

お客様は
身に着けるというよりも
コレクションを集めているような
そんな方たちだった。

でも今私は
糸や布でアクセサリーを
作っている。

それをなんとなく
不思議に感じた。

糸や布で作られたアクセサリーは
柔らかく繊細で
必ずほつれや色褪せが出るし
水にも弱い・・・
花ほどではないけれど
やはりどこか儚いのかもしれない。

いつまでも変わらなくても
どんどん変わっていってしまっても
きっとその価値は変わらない。

経験や思い出
手にしたもの
持っている人が変われば
その価値も変わる。

変わるけど変わらない。

変わらないけど変わる。

生きることや
出来事の意味は
私の想いひとつだ。


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