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2024/10/19 寒気来る

今日、10/19の東京の最高気温は29℃の予想ですが、明日明後日にかけて、この時期としては強い寒気が入って寒くなりそうです。 上が札幌、下が東京の、500hPaと850hPaの気温予想。 札幌は19日の夜から、東京は20日からぐっと下がっています。 10/21の東京の850hPa気温の平年値は6.4℃らしいですが、21日の朝などは1℃の予想になっています。 10/20、日本時間9時の500hPaの天気図を見るとトラフが日本列島を通過中。大陸にはリッジが明瞭です。 同時

    • 2024/10/2 暑かった今年の夏と冬の予報

      10月になったので、気象庁から9月の振り返りが出ました。 顕著な高温ということですが、8/1には7月の記録的な高温、9/2には7月以降の顕著な高温とまとめが出ています。 つまり、7月から9月までずっと暑かったということです。たしかに暑かった!去年も暑かった記憶がありますが、今年は40℃を窺うような日や地点が多く、もっと暑かったような気がします。どうでしょうか。 7月と9月は、日本の平均気温(*1)の基準値からの偏差(1991~2020年の30年平均値 との差)が出ていま

      • 2024/8/7 寒冷渦と熱帯低気圧

        今日の関東地方は日差しが少なかったので気温こそあまり上がりませんでしたが、日本の東に300hPaで-30℃の寒気を伴う寒冷渦があって、大気の状態が不安定となり、夜のはじめ頃、雷雨となりました。 15時55分に出た「大雨と雷及び突風に関する関東甲信地方気象情報 第10号」では、局地的に猛烈な雨が予想されていました。 実際、埼玉県では1時間に約100ミリの大雨となり、記録的短時間大雨情報が出ました。東京でも雷がすごかったです。 衛星画像でも、関東で積乱雲が発達してるのがわか

        • 2024/07/21 昨日の雷すごかった

          すごかったですね。 17時頃、武蔵五日市あたりで雨雲(積乱雲)が発生し、雷を検知。 21時半には埼玉から東京区部にかけて短時間強雨と雷祭り。 深夜には千葉方面でも活発に。 21日深夜2時の、前12時間の発雷状況 雷の発生原因は、雲中での氷晶の衝突による電荷の蓄積なので、積乱雲が高くまで(氷晶が大量に発生できるまで)発達する必要があります。 上昇気流の条件は、以下のような場合で、複数の条件が合わさって発達するそうです。 1)大気の下層が暖められるか、もしくは上層に寒気

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          2024/06/30 山登りの気温逓減率の実際(尾瀬 至仏山)

          6/29から30にかけて、梅雨の合間を縫って尾瀬の至仏山に登ってきました。 日程はしばらく前に決めざるを得ないのですが、うまいこと低気圧と前線の隙間にはまってラッキーでした。 尾瀬と山はよかったのですが、それはそれでおいといて、今回はケストレルの計測機器を新しく持っていって面白かったのでその話です。 1日目は「山の鼻小屋」(標高1400m)に泊まり、翌日06:00から至仏山(標高2200m)に登って、鳩待峠(標高1600m)に戻ってきます。 標高はだいたい800m登って

          2024/06/30 山登りの気温逓減率の実際(尾瀬 至仏山)

          2024/5/21 沖縄・奄美が梅雨入り、3か月予報

          だいぶ更新をさぼってしまった。 沖縄・奄美が梅雨入りしました。 何を見ても前線が明瞭です。そのうち前線が押しあがって、他の地域も梅雨入りするでしょう。 それはそれとして、5/21は気象庁からこの夏(6,7,8月)の3か月予報も出たので見てみましょう。 気温は高く、降水量は平年並みとの予報です。また暑い夏になるのか。。。 「全般季節予報支援資料 3か月予報」をもうちょっと見てみます。 太平洋熱帯域の上層(200hPa)で収束偏差ということは、例年より下降流が卓越すると

          2024/5/21 沖縄・奄美が梅雨入り、3か月予報

          2024/3/26 寒かった

          ずいぶん間が空いてしまった。暖冬でつまらなかったからです。 今日は久しぶりに出社したら、帰り時に風が強くて寒かった。何かの罰か。 午後のほうが寒くて、雪の範囲も広くなりました。17時くらいからの気温の急降下! 気温は東京だけど、風は羽田のほうが強くて面白いので羽田のグラフ。 南を低気圧が通過したので、一日北風基調ですが、17時ぐらいから急に風が強まって気温も降下。 気圧が底を打っているので、低気圧が抜けて背面の寒気が入ったのでしょう。 これは21時の予想ですがわかり

          2024/3/26 寒かった

          2024/2/5 雪でした。

          今日は、昼過ぎぐらいから雪がちらつきはじめ、20時には積雪深6cm、東京でも大雪警報がでました(12時間降雪10cm)。 正直なところ、関東南部は雪にはならないかなと思ってました。甘いですね。振り返りましょう。 前日時点の気温の予想です。 850hPaで、-2℃から-3℃ぐらいの予報でした。ただ、ちゃんとみると北東風が入って滞留寒気でしょうか、等温線が南に凹んでいます。 関東付近は、北寄りの風が入る予報になっています。低気圧の前面は南から暖かい風が入るのが普通なので、

          2024/2/5 雪でした。

          2023/12/17 ポーラーローとJPCZ

          昨日の高温とはうってかわって冬型の気圧配置になりました。 これぐらいのスケールの天気図だとあまりわからないのですが、冬によくみられる擾乱がありました。ひまわりで雲を見る良くわかります。 1)北海道の西側に紫で示した渦が見えます。天気図に「低」が描かれないぐらいの小さな低気圧で、Polar Low:ポーラーローと呼ばれます。小さいがために気が付かぬ間に急速に発達して大きな被害を出すことがあります。気象庁の短期予報解説資料にも以下の記載が出ていました。 普通の高気圧/低気圧

          2023/12/17 ポーラーローとJPCZ

          2023/12/16 関東平野の滞留寒気

          昨晩、12/15から16にかけての夜は、寒かったでしょうか、それとも暖かかったでしょうか。 東京では、日付が変わる前後に南風が入り、12月らしからぬ暖かい夜になりました。(下図左) これは、低気圧や前線に向かって南風が吹き込んだためでした。 千葉や小田原などで12月の最高気温一位を更新した地点も多かったようです。 ただ、気温が上がったのは関東の南だけで、一枚目の右側でもわかるように、越谷と東京では12℃も気温が違います。 これは、関東平野の北側には寒気が滞留していて、

          2023/12/16 関東平野の滞留寒気

          2023/11/07 27.5℃とIOD現象

          11/7は、東京で最高気温27.5℃を記録し、11月の最高気温を100年ぶりに更新しました。 とはいっても、25℃を超える日は11月でも結構あって、最低気温の記録更新(22.4℃)の方がぶっちぎりです。ニュースのインパクトはないですけど。 直接の原因は、低気圧から延びる寒冷前線が通過し、低気圧や前線に向かって下層暖湿気が流入したからです。 これはこれでよくあるパターンでした。 ついでに、11/2発表の全般季節予報支援資料(1か月予報)を見てみると「正のインド洋ダイポール

          2023/11/07 27.5℃とIOD現象

          2023/9/9 昔の天気図

          国立国会図書館デジタルコレクションで、天気図【全号まとめ】が公開されていて、なんと、明治16年(1883年)3月から毎日の天気図がPDFになっていて見ることができます。 二・二六事件(昭和11年(1936年)2/26)は、雪の日の事件として記憶されていると思います。 下図は左が午前6時、右が午後6時の当日の地上天気図です。 実際、南岸低気圧が通過して雪が降ったようです。午前6時と午後6時の観測表もPDF化されています。 最高気温はわかりませんが、午後の方が気温が低いので

          2023/9/9 昔の天気図

          2023/8/17 台風7号の温低化

          台風7号は、17日15時に温帯低気圧に変わりました。 北緯45度、利尻・礼文島のあたりまで台風(熱帯低気圧)で進んだわけで、ずいぶん北まで頑張りました。 だいたい、海水温が27℃以上であれば台風は発達するとか言いますが、これに関して面白い話がTLに流れてきたので書いておきます。 7号は近畿地方を縦断して日本海に出た後もしばらく台風のままだったんですが、今年は日本海の海面水温が例年より高かったそうです。確かに、なんなら同緯度の太平洋側より高いぐらい。 台風の発生・発達には

          2023/8/17 台風7号の温低化

          2023/8/1 雷すごかった

          8月になりました。今日は雲が出て久しぶりに猛暑日になりませんでしたが、昼過ぎ頃の雷がすごかったです。 家の中にいてもびくっとしてしまうぐらい。 気温も一気に10℃ぐらい下がりました。ちょっと蒸しますがありがたいことです。 今日は500hPaでー6℃(青)を伴うトラフ(赤)が日本列島を通過し、大気の状態が不安定になりました。冷たい空気は重いので、上に重いものがあると不安定状態を解消しようと上昇気流が発生しやすくなるということです。 地上は高気圧に覆われていても、上空の高気圧

          2023/8/1 雷すごかった

          2023/7/22 関東地方梅雨明け

          本日、7/22、関東地方の梅雨明けが発表になりました。 地上天気図はこんな感じです。 普通、梅雨前線を太平洋高気圧が押し上げて梅雨明けになることが多いのですが、まだ前線が日本の南にいますね。 太平洋高気圧の勢力範囲の目安となる500hPa面の等高度線5,880mを青で引きました。前線よりかなり北に位置しています。北日本には気圧の谷がかかっていますが、関東地方はこの谷を抜けてリッジに入り、昨日一昨日の大気の状態の不安定が解消して、もう降らなさそうなので梅雨明けを判断したの

          2023/7/22 関東地方梅雨明け

          2023/7/9 梅雨末期

          関東は蒸し暑いわりにたいして降りませんが、西日本の日本海側では九州北部や中国地方で大雨となっています。 梅雨前線はしばらく停滞する見込みで、11日ぐらいまでは広範囲で大雨が予想されます。 850hPa(1,500mあたり)の風向風速、相当温位です。 華中から相当温位345K以上の暖かく湿った風が吹き込み、本州をほぼ覆う勢いです。湿舌と言います。 この暖域に対して、中国東北区あたりから吹く冷たく乾いた北西風が、ちょうど九州北部、山陰でぶつかり、大雨の原因となっています。単体

          2023/7/9 梅雨末期