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2023/11/07 27.5℃とIOD現象
11/7は、東京で最高気温27.5℃を記録し、11月の最高気温を100年ぶりに更新しました。
とはいっても、25℃を超える日は11月でも結構あって、最低気温の記録更新(22.4℃)の方がぶっちぎりです。ニュースのインパクトはないですけど。
![](https://assets.st-note.com/img/1699366928967-VsqCGd3KcP.jpg?width=800)
直接の原因は、低気圧から延びる寒冷前線が通過し、低気圧や前線に向かって下層暖湿気が流入したからです。
![](https://assets.st-note.com/img/1699367066885-iI91aISzBH.jpg?width=800)
これはこれでよくあるパターンでした。
ついでに、11/2発表の全般季節予報支援資料(1か月予報)を見てみると「正のインド洋ダイポールモード現象が特徴が現れている」とあり、日本に高温をもたらす要因の一つらしいので、以下に調べてみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1699367544404-KlKnGa1Nsx.jpg?width=800)
「インド洋に見られる海面水温の偏差パターンと日本の天候」(気象庁) を参照しています。
インド洋ダイポールモード現象(IOD現象)は、インド洋の南東部で海面温度が低温、大気の対流活動が不活発となり、西部で高温・活発となるように、東と西で逆符号の偏差パターンとなることです。海面水温が南東部で低くなるのが「正」のインド洋ダイポールモード現象と言い、逆の場合が「負」です。負のIOD現象の場合は日本の天候への影響ははっきりしませんが、正のIOD現象では、日本で高温になる傾向があるそうです。
実際、どんなパターンになっているのか。
![](https://assets.st-note.com/img/1699368100931-Xz1gvTIzpn.jpg?width=800)
海面温度偏差と、対流活動の活発さを200hPa速度ポテンシャル偏差でみます。
200hPa速度ポテンシャルとは対流圏上層(200hPa)における大気の発散・収束を表す指標であり、 大規模な発散域(寒色域)は上昇流が卓越した対流活動活発域におおむね対応。
200hPa(上層)で発散してるということは下層で収束が発生し対流活動が活発であるということですね。
なお上の図は引用したサイトとは色を逆につけてしまったので、青色が対流不活発な領域になります。
確かに、海面温度はインド洋東部で負偏差(低温)、インド洋西部や日本付近で正偏差(高温)になっています。
同様に、赤道付近の対流活動はインド洋東部で不活発、インド洋西部と日付変更線付近で活発になっています。
それで、なぜ日本で高温になるのかということですが、かなりややこしい。
![](https://assets.st-note.com/img/1699368358599-3MrhuKWvoX.png?width=800)
インド洋東部の対流活動が不活発(赤道付近)
→太平洋西部で対流活動が活発(赤道付近)
→チベット高気圧が張り出し日本が高温化
というパターンになるようです。
また、今回確認できていませんが、インド洋西部の対流活動が活発になることにより、偏西風が蛇行して日本に高温をもたらすそうです。
上層で発散していればその周囲では下降流が生じて対流不活発になろうことは直感的に理解できなくはないですが、風が吹けば桶屋が儲かるような因果関係で、エルニーニョ/ラニーニャ現象や海水温など他にも様々な要因があり、なぜ高温になるのか一つとってみても、単純な答えはないようです。
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