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雑感76 夏至の日と、大暑の日に

 今年は、ひとりで梅干しを作っている。去年は教えてくれる人と、一緒に作るメンバーがいた。
 ひとりで困るのは、いつ・何をするかを決めることだ。慣れている人であれば「だいたいこのくらい」の塩梅がわかるのだけれど、作るのは2回目、しかもひとりは初めてという初心者は、もう不安だらけである。
 こんなときに頼るのは、自己流のジンクス「とにかく吉日に始める」である。根拠も何もない。わたしは、夏至の日に梅を漬け始めた。
 梅の実から梅酢が出て、順調に月日が経っていた。土用干しのことは忘れずにいた。わたしが教わったのは、晴天の日に3日連続で干すという方法で、今年は雨が多いのか、まだ干せていない。
 7月も後半に入り、ひと月以上も梅を放置している(時々、カビのチェックはしている)。さすがに何かオカシイと、ぼんやりと思う。去年の記録を見たら、土用干しの写真が赤い。つまり、赤紫蘇も一緒に干していた。
 急いで、買い置きの揉み紫蘇を取り出す。市販の買い置きがあってよかった。というか、揉み紫蘇の袋も何度か見たけれど、全然気に留めていなかった。ザババっと梅の上に放り込まれる紫蘇。少し赤くなる梅酢。
 土用干しの日まで紫蘇漬けを忘れていなかったことに安堵し、「吉日に始めるとか関係ないな」とカレンダーを見たら、大暑の日だった。大暑が吉日かどうかは知らないけれど、二十四節気ではある。
 今年の梅は、二十四節気の精がいるのだろうか。土用干しの日も教えてくれるのではないかと、秘かに期待している。

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