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【エッセイ】好きなこと、やってこ!

わたしは、自分のこと真面目とか言ってるけど、ここ1〜2年くらい?、自由に好きに「人生」やらせてもらってる。
まあ、今までも結構好きにやってきた方かも知れないけど、自分の人生の中でも特に、自由な気分でいるのだ。

もう随分昔のことのように感じるが、就活をしていた頃は気分的に死んでいて、人生の目標だった大学の卒業や終生の友たちとの別れが控えていることや、内定がないことへの自分なりの焦りや、いろんなことで心がしっちゃかめっちゃかになっていた。

あの時、この「しっちゃかめっちゃかな状態」で結構小説やエッセイを書いていた。現実を忘れたくて。
わたしは、いろんな場面においてあんまりコツコツと物事を進められるタイプではなく、気分がノる時に一気に終わらせるタイプ。しかも夜中に。気付いたら朝で、朝のニュースが始まると共に終わるということがよくあり、それが好き。
なので、文章についても、夜に一気に書くことが多いのだが、あの時はいつもより「あえて」夜に文章を書いていた。
大学生という比較的自由な身分ではなくなり、責任も時間的拘束もある社会人になる前に、この気分を味わっておかないと…と思っていた。社会人になったらわたしの真面目な部分が出て、早寝早起きになるだろうから、と。
でも、やっぱり時間というものを考えずに文章を書いている自分が一番自然で好きだし、この生き方をしていきたいと、ハッキリと夢見るようになった。

現実を見なきゃいけない就活の時期に、幼い頃からの夢だった「小説家」という夢がどんどん自分の中で大きくなっていって、目を逸らせなくなった。

もちろんそんなに簡単な夢じゃないし、いわゆる「新卒カード」を使わないのは損なのも分かっていたから、ゆるく就活も続けていたし、「真面目なわたし」が、「ちゃんと正社員で働かないとね」と思っていた。

そのうち、こんなわたしでもなんとか内定がとれて、あとはもう卒業を待つだけ。
会社の方は大学卒業までに内定者研修が結構な日数あり、それに頑張って参加して、スーツや必要なものも買い揃えて準備は万端だった。
そして、その後の軽い実戦デビューした数日間で内定辞退した。
うーん、このスピード感。そして、決断力。
迷惑をかけたたくさんの方々にはほんとうに申し訳ない気持ちでいっぱいなのだが、どうしても無理だと、数日間で悟ってしまった。「これ」で、わたしは生きていけないと思ってしまった。
…先輩、驚いただろうな。「おつかれさまでした!明日もよろしくお願いいたします!」って言ってた後輩が翌日からもう来ないんだもんな。
でもね〜、ほんとうに無理だった。
ホームに立っては「あ〜、これ飛び降りたら全部何もしなくていいんや」ってふと思ったり、通勤電車の中ではずーっと「これ、反対方向に乗ったら今すぐ帰れるんだな」って考えてたり、帰りの電車の中でも「早く帰りたい早く帰りたい早く帰りたい早く知ってる景色になれ」と俯いてカバンを握り締めながら泣いていた。
とにかく、自分でもビックリするくらい、「社会に出る」というハードルが自分の中で高く、苦手で、冗談じゃなくて心がめちゃめちゃドス黒くなってる感じがした。自分が住んでいる町から離れてどんどん電車が知らない景色に進んでいくのが悲し過ぎて、心臓がギュー!ってなった。
「いやいや、そりゃ慣れてないことへ飛び込む時は誰しも多かれ少なかれそうなるよ」とか言われるのは分かるのだが、それにしても無理だった。

中学から大学まで、すごく狭い世界に生きてきたことや、人生の最終目標が大学で勉強することだったこともあり、「社会に出て働くこと」を上手くイメージ出来ていなかった、いやしても出来ないわたしにとって、実際のところ「社会」って向いてなかった。
なんか、「自分って現代の社会のシステムでは生きづらいタイプかも」と気付いた。
真面目だから社会に出てもなんとかなると思ってたけどだいぶダメだった。こんな感じで死ぬまで働きたくないなって思った。というか、このまま働いてたら心が死ぬなって思った。
「…働いて死ぬんなら、やっぱり小説書きたいな」って、「そうやって生きて死にたいな」って思った。

ていうか、話がズレるかも知れないけど、大学→社会のステップがデカ過ぎる。いきなり外に放り出される感じ。
それに、大学を「就活準備校」だと捉えてる人が結構いないですか?わたしはこれがそもそもすごく嫌。大学は学問をするところで、就活の準備段階ではないと思うし、それとは分けるべきだと思う。大学の後、「就活期間」があった方がいいんじゃないかなと思う。だって、大学4年とか卒論って「自分が大学で考えたこと・学んだこと」の集大成なのに、就活のことまで考えないといけないのって、なーんかもったいないし、つまんないなって…。

で、わたしは結局、小説家を諦めきれなくて、なんにも決まってないまま大学を卒業して、フリーターになった。
世間からしたらまあ、いろんなことが訳分からんかも知れないけど、卒業後始めたバイトの働き方がすごく自分の身体には合ってるし、家から近いのがすごくいい。
好きな時間に起きて、好きな時間に寝て、好きな時間に本を読んで、好きな時間に文章を書く。あのまま正社員になってたらきっと出来なかったんだろうなと思うとゾッとする。
あくまでわたし個人の感覚だけど、就活〜内定者インターンの間は「これで人生が終わる」と思ってた。本気で。これから新しい人生が始まるとかじゃなくて、これから「どうでもいい余生」を生きていくんだと思ってた。
でも、いわゆる「安定」ではなく「夢」を選んだ今、すごく「生きてんな〜」って思うし「自由だな〜」と思う。
あの時は「大学出で正社員じゃないなんて…」って思ってる自分もいたけど、それだけが人生のあり方じゃない。
もし、夢や就活などで悩んでたりする方がいたら、このnoteを見て安心して欲しい。今のわたしは、「真面目なわたし」が考えていたものとは全然違う生き方をしているけど、人生、なんとかなるよ!大丈夫、わたしがいるよ、1人じゃない。
「夢」っていつ誰がどのタイミングでも見てもいいと思う。大人になるにつれ、現実を見なきゃいけなくて、ついついそればっかりになっちゃうし、そうするべきなのかも知れないけど、やっぱり人の原動力は「好き」だと思う。それがなきゃ、結局続かない。

 現実ってきびしいし、なんか難しい。
 …それでも、好きなこと、やってこう。

(もちろん、わたしが今、のらりくらりと好きにやれているのは周りの人の理解や支えや環境のおかげなので、それを忘れないように、これからも自分なりの夢を追いかけていこうと思う。
それに、なんかこう…「働く」とか「就活」とかについてマイナスなことばっかり書いたけど、それを頑張ってる人たちや出来ている人、両立していた人たちはすごく輝いてると思っているし、シンプルに尊敬しています。)

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