フリーランス2年目に考えていること(3)「フリーランスのビジネスの守破離」
フリーランス2年目に考えていること、連載3日目です。前回の記事はこちら。
今日は、フリーランス2年目の今の私が今まさに過渡期を迎えている「個人事業主のビジネス成長」についてダダダッと書いていきたいと思います。
守破離
「守破離(しゅはり)」、という言葉があります。
もともとは茶道や芸事、武道なんかの世界で広がったプロとして成長するまでの師弟関係の在り方のことだそうで、千利休が広めたとかなんだとか。
一人前になるための修行のプロセスには、守→破→離という3つの段階があって、
・「守」は、師や流派の教え・型・技を忠実に守り、身につける段階
・「破」は、守を破り、他の師や流派の教えも取り入れて自らの技を発展させる段階
・「離」は、守と破を大切に、そこから離れて新境地をつくっていく段階
こんな風にして、弟子は師匠のものを巣立っていくと。。
ビジネスの世界でも、というより、起業の世界でもこの守破離の概念はよく語られるようで(知らんかった)、自分が「破」のフェーズにズボッと足を踏み込んでから「うお、これのことか」と出会った考え方でした。
フリーランス1年目は「守」
独立・起業をしている人はTTPという言葉を知っている人も少なくないと思います。
「徹底(T)的に(T)パクる(P)」という、は?なんじゃそりゃと思ってしまうくらいかっちょ悪いビジネス用語(?)なのですが、要するにビジネスは成功者のコピペからスタートするべきよ~っていう考え方です。
まさにこのTTPって守破離の「守」の部分だと思っていて、自分の師匠となる存在(実際にメンターとしてついてもらう/もらわないに関わらず)のやり方をとにかくパクりその成功手順を自分自身で再現する、っていうフェーズです。
私自身も、自分にメンター的存在となるコーチをつけ、徹底的に彼女のやり方をパクらせてもらっていました。
TTPを続けると、「結局成功してる人は、めちゃくちゃ考えてめちゃくちゃ行動してんだな」という根も葉もない結論にいきつきます。
でも、「うわ~、そうゆうことか~、そりゃやらんとな~」と本当に腑に落ちきって動けるようになってからは、やっぱりちゃんと成果が出るようになるんですよね。次第に自分もクライアントさんとの契約が取れるようになっていきました。
「なんとなくこんな感じだろう」と手癖で進めることをやめ、理想的な働き方をしている人の思想やロジックを自分から受け取りにいったのは大成功だったように思います。
私はTTPやってめちゃくちゃよかったと思ってます。ただ、TTPは、自分と相性の合う「教え」と「師」じゃないと簡単にメンタルが死ぬので、その選び方はマジ大事です。
「破」は五差路のような
そんな私が「守破離」の「破」に足を踏み込んだのはフリーランス2年目のここ最近のことです。
ちょっと変な話をします。私の住んでいる東京都中野区には、中野五差路という有名な多差路があります。
それぞれの道の先には、JRの駅があったり、でかい郵便局があったり、閑静な住宅街があったり、高円寺方面につながる道があったり、色々する訳なんですが。
「破」って、この五差路の分かれ道ようなものだと思っています。
これまではコーチ、つまり「師」と一緒にこの手前の道を一緒に歩いてきた訳ですが、ここからは別の道を選んでみるという選択肢が出てくるのです。
私はこれまで、自分も憧れの人たちと同じ道を一緒に走るぞおぉ!というスタイルの起業をしてきました。
だけど、実際はずっと一緒の道を走り続けられるということはなくて、ある地点で「もしかすると私、こっちの道も走ってみたいかも」という欲が出てくるのです。それが私にとっての「破」のポイントでした。
ここ最近の私は「自分の師を分散させる」ことを心がけています。
ここでの「師」はある固有の人物ということではなくて、「考え方」という概念的な意味で受け取ってほしいのですが(すごく抽象的な話だ、すみません)、簡単に言えば、ビジネスの考え方の選択肢を増やしてみたいと思っているんです。意図的にね。
例えば最近の私の変化としては、同業者やフリーランス以外とよく喋るようになったことだと思います。独立当時にはあえて関わるのを避けていた、会社員の人たちと仲良くしています。
会社員ながらも事業運営側にいる方、経営者の右腕として働いている方、トップセールス、こんな方は、実はかなり近いレイヤーでビジネスの話をすることができます。そして、近いレイヤーでありながらも、個人事業主にはない観点を持っています。それが本当に面白くてたまらなくて。
同業者やフリーランスといった自分に近い人ではない人の話を積極的に聞き、本質を抽出して自分の事業にエッセンスを取り入れていくことができるようになったのは自分にとって本当に大きい変化でした。
なにより、師となる人(や考え方)は世の中にたくさんいる(在る)、と思えるようになった自分が、「健全な起業家」としての生き方を目指せていることについて安心感を覚えたんですよね。
社会を見返したい、報われたい、という感情ではなく、「もっと面白いことをしたい」「まだ見ぬ世界を知りたい」という気持ちで事業に向き合えるようになっていってるのです。
「離」がもうすぐそこにある
「離」がもうすぐそこにあるな、と思っています。これまで取り組んだことのない、新しい領域に進もうとしています。超怖いです。プルプルしてます。
これは連載の中でまた詳しく話そうと思っているのですが、個人向けコーチングの事業を続けながら、新しく、組織向けのサービスづくりに挑戦しようとています。
アイデアを話すと、全員が「それは必要だね」「あすかちゃんだからこそ出来る事業だね」と言ってくれ、涙が出そうになりました。そして私自身もこれは社会に必要だと確信している事業です。
この事業を展開させるために私が口説き・心を震わせなければならない対象は、会社経営者の方たちです。
正直、全然私にそんな人脈はまったくないです。いや、まったくというのは嘘だけど、スタートアップ勤めのときに関わってきた経営者にはなかなか合わせる顔がなくて、ヒョヒョイと営業なんてできません。だから上手くいくかどうかなんて分かんないです。
でも、このサービスに価値を見出してくれる人に出会いたいと思っています。
売りたいとか稼ぎたいとかの一線を超えていて、「え、これって絶対必要じゃん」と深く共感してもらえる人と出会いたいという気持ちの方が大きいです。
・・・いくらでも話せるな。でも、あんまりここで新しい事業のことを書きすぎると守破離のテーマからそれちゃうので、今日はこのへんで!(笑)
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中野あすか@最近孤独のグルメ見まくってます
「フリーランス2年目に考えていること」連載
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替えの利かない、「ただの話し相手」として。個人でライフコーチをやっております。クライアントさんとお話ししたり、文章を書いたり、ラジオでひとり喋りをしたりしてのんびり生きています。
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