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「君にしかできない仕事なんて無い」と言われ、ムカついたのでフリーランスになりました。


フリーランスになった理由はいくつもあるんだけれど、そのうちのひとつに「自分にしかできない仕事を創りたかった」という理由があります。


私は2020年の11月まで、会社員として働いていました。

当時勤めていた会社は社長+社員ふたりの3人の会社。いわゆるスタートアップってやつで、自社事業を立ち上げたいので手伝ってほしい、と誘われた会社でした。(それまでは、社長が個人経営をしていた会社でした。)

ヘッドハンティング前の私はとあるITベンチャーで人事の仕事をしていたのですが、上司のマイクロマネジメントに相当疲弊していて(それまでの職場が自由すぎて細かい指示を素直に受け入れられる器がもうなかった)、「うお~~新規事業!やってみたかったぁ!行きます~!」とすぐにOK。

ベンチャーだとかスタートアップはこうゆう引き抜きが日常茶飯事なので、人間関係だとか会社の方針が自分に合わずとも能力さえ他の誰かに買ってもらえれば悪くない条件ですぐに転職ができます。人付き合いで我慢ができない私にとっては良い環境だったのかもしれません。

ただ、この会社に入ったことが、のちに私がフリーランスになることを固く決意するきかっけになりました。


この会社では、毎月社長と社員の1on1の時間がありました。普通の会社なら毎月社長と面談、なんて有り得ないことかもしれませんが、この規模なので上司との面談みたいなもんです。

ある日の1on1で、「今後あすかちゃんはどんな仕事をしたいの?」と聞かれました。

もともと私はずっと人事・人材畑にいたのですが、事業をつくっていくというフェーズでの入社をきっかけに、「私はこれから何が出来る人になりたいんだろう」と考えることが多くなりました。

今は3人だから、事業づくりも営業もプロダクトマネジメントも顧客サポートも経理も、自分たちでやる”何でも屋”。だけど、会社が大きくなれば役割を持つことになる。自分が今後どんな人材になりたいか?を改めて考える(考えられる)いい機会でした。


「せっかくヘッドハンティングで誘ってもらったんだし、”私だから”できる仕事をしたいんですよね。」

この時の私は、とある思い込みをしていたのです。人材不足のポジションに誘われたのではなく、事業づくりという超重要なフェーズで(つまり、ある種創業メンバーとして)誘われたのだから、「あすかちゃんだから」と、私の何かを買ってくれたんじゃないかと思っていました。


しかし、違ったようなのです。

社長から返ってきたのは、

「ん~。”あすかちゃんにしか出来ない仕事”なんて、ないと思うけど。」

という言葉でした。


のちにこの社長とは大喧嘩をして私が会社を去ることになるのですが、社長への違和感はこの1on1からスタートしたような気がします。

この、「あすかちゃんにしか出来ない仕事なんて、ないよ」という言葉を社長がどういった意図で言ったかは分かりません。私の当時の能力が低すぎて本当にそう思っていたのかもしれませんし、そうゆう仕事はつくりたくない(=業務は基本的に平準化したい)という意図でいったのかもしれません。


でも、なんか心に引っかかったのです。というか、内心ムカつきました。じゃあ、誘うのは私じゃなくても良かったじゃないか。たまたま私が”そこそこ”に仕事ができて、マイクロマネジメント上司の下でくすぶってたから誘ってきただけなのか。

「UIUXのこともっと勉強をしたい」「マーケティングについてもっと詳しくなりたい」なんて思って、こそこそと勉強していた自分がバカらしくなりました。

私が今からこれを勉強したって、私以外の人も出来ちゃうんだもんね。いやむしろ、業務委託とかでいくらでも優秀な人採れるもんね。


「あれ、私って何すればいいんだ?」

なんだかよく分からなくなり、買ったり借りたりしたビジネス本や技術書はみるみるうちに積読になっていきました。

そこからの私は、「なんでこの仕事が自分に回ってくるのか」をいちいち考えるようになってしまい、あれ?実は面倒くさい仕事を回されてるだけ?と疑心暗鬼になったこともありました。(そして実際労力のかかる面倒くさい仕事はほとんどが私に振られてきていた)


このあと、実際に事業が具体的に進むフェーズになりやることが急激に増えたあたりから、3人の間で少しずつ溝ができ始めていました。なんとなくピリピリとした、居心地の悪いオフィス。私は私で会社の中での自分の存在価値が分からなくなってしまっていて、とりあえず目の前のタスクをこなしていく日々を送ります。

そして、とある打ち合わせで社長と私とのビジネスの考え方の方向性がめちゃくちゃに違うことが発覚しました。スピード重視の社長と、何のために・誰のためにを明確にしたい私。とはいえ相手の方が何枚も上手(うわて)でした。ロジックでボコボコにされ、その日は泣きながらオフィスから表参道駅までトボトボ帰ったことを覚えています。

この日をきっかけに私と社長の関係は一気に険悪ムードに。一方的な説教DM(クソ長)が送りつけられたり、もう君には期待しないから的な発言をされたり。歩み寄りを放棄されたと感じた私は余計感情的になり、たくさん言い返しました。やっぱり喧嘩は体力を使います。


「この会社に私がいる意味って何なんだ。」

次第に生気を失っていきました。Zoomでのミーティングでは業務連絡以外を発言しなくなっていきます。表情がひとつも変わらない画面に映る真っ白い自分の顔がキモくて、カメラをオフにしたこともあります。


私にしかできない仕事がないのなら、こんなに嫌な想いをしてまで(そして嫌な想いをさせてまで)ココにいる必要はないんじゃないか。

私は退職を申し出ました。


私がやるから意味があって、あなただからとお願いされる仕事をしたい。

そうして私は、「個」として働くことを選びました。


私が今フリーランスとして働いているのは、「君にしかできない仕事なんて無い」という彼の一言にムカついたことがひとつのきっかけになりました。上にも書いた通り、その言葉の真意は分かりません。でも、「そんなことない」と心の中で思い続けてきたからこそ、今の自分がいるのです。



今私は、自分のプロフィールに、
” 替えの利かない、「ただの話し相手」 ”
というキャッチフレーズを入れています。

コーチングという仕事を自分のビジネスに選んだのは、この仕事が「人」で選ばれるべきものだと思っているからです。

私との対話は、替えの利かないものです。中野あすかのセッションは誰にも再現できないし、中野あすかとの関わりは誰にも再現ができません。

今の私は、どのクライアントさんからも「あすかさんが良かったんです」「あすかさん一択でした」と言われます。


今ならドヤ顔で社長に言えます。

「私にしかできない仕事、ありましたよ。」



こんな私のセッションが気になる方は、コチラからご連絡ください。

中野あすか@ちいかわLOVE

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【中野あすかについて】

替えの利かない、「ただの話し相手」として。個人でライフコーチをやっております。クライアントさんとお話ししたり、文章を書いたり、ラジオでひとり喋りをしたりしてのんびり生きています。

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