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子供達は誰のために?なんのために?弾く?

遊びたくても欠かせないしんどい練習、ヴァイオリンだけじゃなくて勉強も忙しいのに!!...どの人もいろんな我慢や努力があると思います。

そんなにしんどいことを、なんのためにやってきたか?音楽のためです。

自分の中のプライドに、向き合っているのがしんどい時間です。

礼儀作法のためとか、頭が良くなりたいだとか、右脳を活性化させたいだとか、IQを高くしたいとか...最近は音楽のお稽古についていろいろ言われますが、それは音楽のために頑張った後についてくる(かもしれない)オプションです。音楽という山に登るのと、頭が良くなりたいという山に登るのは違いますよね? 山が違えば、そこから見える景色も、道程もちがうんです。ああしたいこうしたいと、自分の音楽を求めるから脳でシナプスが複雑な働きをしていくんですよね。

誰のために演奏するのでしょう?自分のためです。先生の看板とか親御さんのステータスとか本人には関係ないこと。他人に対するプライドはないほうが健全です。

じゃあ、そもそもなんで演奏するのでしょう? 音楽が、演奏することが好きだから。それだけです。それ以上でもそれ以下でもありません。

「え?うちの子本当に好きなのかしら?」

そう思ってしまう親御さん多いんです。

本当に嫌だったらケースを開けません。親友は親がいない時にこっそり弦をハサミで切っていました。僕の生徒ではありませんが、物差しで魂柱を倒す子もいます。本当に嫌ってそういうことではありませんかね(苦笑)。

もちろんやる気が失せてしまうこともあるでしょう。でもある人は名伯楽のレッスンに楽器を持たずに何年も通っていたそうです。今はその方はスターです。ものすごい情熱で音を発散する人です。

面倒くさそうにしているとはいえ、楽器を手にしている子は何かあるんですよね、本人の中に。これは残念ながら他の人には実感のわかないことだと思います。言葉で多少説明できるものもあるでしょうけれど...僕のボキャブラリーで隅々まで表現できるほど単純な感覚ではないです。

プロだってそうなんですよ。みんなお客様のためとか、社会のためとか口にしますけど、多くてもそれは半分ではないでしょうか?ミルシュタインがコンサートに出る理由は「そのとき、自分がどれくらいのレベルで演奏できるかわかるから」です。「それでお客さんが喜び、多少の金銭があればいい」だそうです。ミルシュタインのインタビューは本当に痛快で言葉に嘘も影もありません。

偉い先生に伺うと、一流の音楽家ってそういう人が多いそうです。もちろん気付いた時には他にできることがなくて演奏団体に入りましたっていう人もいますけど...あとはチヤホヤされるのが好きとか...でもその目的にしては苦労が多いですからね。

お稽古が続いている子は、その苦労を上回る何かを実は持っているハズなんです。周りの大人は信じてあげましょう。

こういうことを書いていると、開高健さんの「裸の王様」を思い出します。これは是非親御さん方に読んでもらいたい本です。

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