nakajima

徒然なるままに日常を書き連ねます。言葉と写真。

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記事一覧

海の話-1

海に来た。 初めて来る海だ。 見知ったそれとは違う、青空をそのまま反射したような青い海だ。 イソくさい。 昨日の波が運んできた海藻が浜に打ち上げられている。 海…

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5年前
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髪の毛の話

髪を切った。 トイプードルくらいの大きさの髪の毛の塊が足元に転がっていた。 「ハイライト入れてもいいですか?」 「好きにして下さい」 あれほど時間と金をかけ手入れし…

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5年前
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生卵の立て方

まず、生卵を用意する前に用意しなければならないものがある。 それはキミ自身だ。 卵と向き合う前にキミを卵に近づけさせてはならない。 なぜって。 例えば向き合うも…

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5年前
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ピアス

ピアスを開けた。 冷凍庫からありったけの氷を出して、袋に入れ、痛いほど耳を冷やす。 母はソファで寝ている。 耳の感覚がなくなってきた頃、ピアッサーを耳にあてる。…

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5年前
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夏の壱 ワンピースとビール

梅雨も中頃の晴れた日の夜。 湿気と暑さで夏の匂いが充満していた。 汗でぺとぺとするTシャツを脱いで洗濯機に放り込み、仕事着と一緒に回す。 寝巻きと仕事着を一気に…

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5年前
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海の話-1

海の話-1

海に来た。

初めて来る海だ。

見知ったそれとは違う、青空をそのまま反射したような青い海だ。

イソくさい。

昨日の波が運んできた海藻が浜に打ち上げられている。

海が怖い。

晴れた日の陽気な海が怖い。

黄色く渇いた砂浜と青い海。

シンプルな、馬鹿げた陽気を表現したようなカラーリング。

その暴力的なまでの陽気さの中に所在無げに、しかしはっきりとその存在を横たえているドス黒い藻。

渇い

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髪の毛の話

髪の毛の話

髪を切った。
トイプードルくらいの大きさの髪の毛の塊が足元に転がっていた。
「ハイライト入れてもいいですか?」
「好きにして下さい」
あれほど時間と金をかけ手入れしていたものが、今はもう只の生ゴミだった。

「長い髪も見てみたいな」
クリームあんみつを食べている私を見ながら、彼は言った。
当時の私の髪は全体にふんわりとパーマをかけ、肩に付かないくらいの位置で揺れていた。
「えーじゃあ、伸ばそうかな

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生卵の立て方

生卵の立て方

まず、生卵を用意する前に用意しなければならないものがある。

それはキミ自身だ。

卵と向き合う前にキミを卵に近づけさせてはならない。

なぜって。

例えば向き合うものが卵でなく、猫でも猿でも取引先の社長でも何でもいい。

一対一で向き合う時、きっとキミはキミ自身をその対象と同じ、またはそれに近い位置に持っていくはずだ。

心構え、というべきだろうか。

そういうことだ。

では対象が生卵の場合

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ピアス

ピアス

ピアスを開けた。

冷凍庫からありったけの氷を出して、袋に入れ、痛いほど耳を冷やす。

母はソファで寝ている。

耳の感覚がなくなってきた頃、ピアッサーを耳にあてる。

開ける位置に気をつけて、一気にボタンを押す。

「バチン」

という音がテレビの音の間で響いた。

痛みよりも母が起きなかったかということに気を取られ、恐る恐るソファの背中越しから母の方を見た。

母は寝ていた。

鏡で耳を見た。

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夏の壱 ワンピースとビール

夏の壱 ワンピースとビール

梅雨も中頃の晴れた日の夜。

湿気と暑さで夏の匂いが充満していた。

汗でぺとぺとするTシャツを脱いで洗濯機に放り込み、仕事着と一緒に回す。

寝巻きと仕事着を一気に放り込まれ、雑に洗われる洗濯機の中は、彼女の日常そのものだ。

ノンワイヤーのブラジャーを付け、キャミソールは着ずに真っ青のワンピースを頭から被る。

四年前に古着屋で購入したワンピース。綿100パーセントのこの青いワンピースは四年と

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