失敗の数々とそのリカバリー方法【月刊(本当は週刊だけど)お気楽フリーランス論Vol.10】無茶振りこそフリーにとってはチャンス!大金GETの仕事紹介
今回は「失敗」について書いてみます。この前佐賀県伊万里市の「金吾農園」に自転車で行ってきました。運営するのは吉田金吾さん(74)。現在野菜を作るほか、ツリーハウスを作るほか、泥を使ってコワーキングスペースを作ろうとしています。この泥の塀作りをこの前手伝ってきました。
金吾さんは「歩くパワースポット」と呼ばれており、一緒にいると清々しい気持ちになる方で、とにかく「ひとにやさしく」を地で行く人です。養鶏をする若者の支援もしているといいます。通常、養鶏ってものは1万~10万羽のニワトリを飼い、やっとペイすると言われているそうですが、この若者はわずか100羽しか飼っていない。ならばどうするか?
金吾流ダイナミックな付加価値付けの秘策!
「数が少ないんだったら1個1個を高く売ればいい。普通、卵なんて1個20円ぐらいでしか売れないけど、1500円で売ればいい! 付加価値をどうつけるかなんだよ。健康を重視する高齢者が薬代わりに買う卵を作ればいいんだ!」
荒唐無稽な話に見えるかもしれませんが、金吾さんは本気で、ニワトリの餌に薬効効果のある薬草を混ぜて、『肝臓を強くする卵』『冷え症に効く薬草』などを薬事法に抵触しない範囲で謳えばいい、と言うのです。そのため、薬草の研究を大学と共に行い、若者にその薬草を与えようとしたりしているのですね。私もこの日、「薬草茶」を飲ませてもらいました。そんな金吾さんがしきりと言ったのが以下です。
オレはこれまで失敗ばかりしてきた。99%は失敗だ。でも、失敗したからそれをなんとかしようとさらに働いた。あとね、成功した話なんて面白くないんだよ。しかも大した成功でもない。失敗した話の方が面白いし学びがあるからオレは失敗した話ばかりする。
これにはハッとしたわけですよ。私も当マガジンで「まぁまぁうまくやった話」を書いてきたので、今回は一旦「失敗した話」を書いたうえで、自分史上もっとも「おいしかった」仕事について書いてみます。
無事仕事完遂した時に感謝される&意外ととんでもないギャラがもらえるかもしれない。「時間がないからたくさん出す!」的な話もあるため、「時間」はカネに勝る。自分史上最高においしかった仕事についてですね。
ギンギラギンにさりげなく営業をする方法
おっと、その前に、先日九州の編集ユニット・EDITONEの皆さんと飲み会をした件について。皆さん私よりも若いので、一応年長者として色々質問に答えたり、(エラソーで恥ずかしいけど)助言めいたこともしたわけです。そんな中いただいた質問が赤坂太一さんによる「営業につながる振る舞い方(現場でしらじらしくなくアピールする方法)」でした。
今回はここから入りますね。いやぁ~、仕事、欲しいっすよね! 何せ仕事があればお金がもらえるだけでなく、「オレは社会の一員だ! オレを求める人がいる!」という自己肯定感が得られるし、さらに言うと成長をしたり新しい人とも出会えたりする。社会人たるもの、仕事を通じてしかあまり人とは知り合えません。もちろん、趣味や何らかのアクティビティなどで出会うことは可能ですが、ベースはやはり仕事。そして、その仕事をフリーランスが獲得するには「営業」が必要です。
私はVol.4で「営業不要論」を書き、これまでに3回しか営業をしなかったと述べました。よって営業はそうそうしないでいいし、勝手に仕事が来る状態をいかにして作るか、が大事だと主張したのです。しかしながら「仕事のにおい」がする場所では、何らかの「営業につながる振る舞い方(現場でしらじらしくなくアピールする方法)」はしていたと思うんですよ。
直近の話では、九州の某新聞社から取材を受けたんですね。正月の特集として、外から見た九州がどんなものか? といった壮大なテーマです。2人の記者と色々喋っていたのですが、私としては「この新聞社の仕事欲しいな……」とは思うわけです。何しろ今、東京の仕事が圧倒的に多いわけで、セミリタイアしたとはいえ、地元の仕事をしていれば、人間関係が広がるし、その仕事がきっかけでさらに別の仕事に繋がるかもしれない。大枠の話が終わった後はこんな展開になりました。
中川:いやぁ~、今度原稿書かせてくださいよ~! 九州により馴染みたいんですよ! 取材と称して色々な人に会ったりしたいですし。
A氏&B氏:(顔を見合わせる)
A氏:いやぁ~、それは私どももお願いしたいのですが、でも、中川さん、いかほどですか?
中川:「いかほど」ってのは何がですか?
A氏:いや、中川さん、お高いでしょ? 東京新聞さんの連載では1本いくらでお書きになっているのですか?
中川:(キター!)毎週1本、870字で3万5000円です。
A氏:(うなだれながら)そうですか……、ウチはそんなに払えないんですよね……。
中川:いえいえ! 私は規定の金額で、御社に無理のない言い値の金額でいつも仕事をさせてもらっています! 東京新聞にしても、あちらからの言い値でした。この金額を提示してくれた局次長は後で「なんだよ、中川さん、言い値でやるタイプだったのかよ! 1万5000円って言っておけば良かったよ(苦笑)」なんて言うぐらいなので、私は本当に仕事があればなーんでもやります。
A氏:そうしましたら、春ぐらいから連載企画などできるか、編集部長と相談しておきますね。
中川:ぜひよろしくお願いします! 楽しみにしています! 毎週でも書きますんで! いつでもお声がけください。
営業姿勢3つのポイント
とまぁ、こんなやり取りになったのですが、これ、営業になっているんですよ。ポイントを挙げます。
【1】とにかくその仕事ができたら楽しみで仕方ない! という雰囲気を出しまくる
【2】自分は面倒くさい発注相手ではない、御社の方針・指示に合わせる、という雰囲気を出しまくる
【3】「毎週でも書きますんで!」については「仕事たくさんしたいです! これ以外でもなんでも言ってください!」のアピールになっている
全般的にここでのポイントは「前向きである」「相手の事情も理解している」ということになります。この2つの振る舞いをするだけで、仕事というのは案外「この人に出すか」となり、結果的に「営業」になるのです。あと、私が「仕事を持っていそうな人」「発注の権限のある人」に対して言ったのは以下が多いです。
「何かあったら声かけてくださいね!」
「えーっ! それ、マジ面白そうですね。オレ、やりたいっす!」
こんな感じの言い方をすれば、「じゃあ、頼んじゃおうかな」となるものです。もしかしたらこの仕事は安いかもしれない。当マガジンで将来的に書く「安い仕事が高い仕事に化ける」可能性はあるし、「仕事を選ぶ基準×3」に当てはまっていればやってしまっていいと思います。それでは、「失敗」の話に移りますね。
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