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【実例付】Chat-GPTの使い倒し方 02[ プロンプト入力26の原則]を読み解く①

 Chat-GPTの使い方について、先日、実際の使い方を書いてみました。

 「会話、対話するというスタンスが大切なんですね」というコメントも頂き、ありがとうございます。その通りなのに加えて、使い方のノウハウにも、もちろん意味があります。

 先月、アブダビのモハメド・ビン・ザイード人工知能大学 (MBZUAI) の研究者グループが、大規模言語モデル(LLM)とのインタラクションを最適化するための「26の原則」を発表して話題になってます。

 原文はこれです。



日本語訳「26個の原則」

 「26個の原則」は以下のようなものです(日本語訳しています)。

①礼儀を省く:「お願いします」などの礼儀用語は不要
②対象者を明示:「専門家向け」など返答を受ける対象者を明示
③複雑なタスク分割:複雑なタスクを簡単なプロンプトに分ける
④肯定的指示の使用:否定的な言葉ではなく肯定的な言葉を使用
⑤明確化のための指示:「簡単な言葉で」「中学生にも分かるように」等
⑥報酬の提示:「良い解答には報酬を出す」と示す
⑦事例を提示:既存の事例を使用
⑧プロンプトのフォーマット:###Instruction###」で始め、適宜「###Example###」や「###Question###」を含める。
⑨明確なタスク指示:「あなたのタスクは」と指示。
⑩ペナルティの提示:「ペナルティあり」と伝える。
⑪自然言語による回答指示:「自然言語で回答して」と指示。
⑫先導的な言葉の使用:「ステップバイステップで考えて」と指示。
⑬偏見の排除:「偏見を持たず、ステレオタイプに依存しない」と指示。
⑭ユーザーとの対話促進:問題解決までモデルに質問させる。
⑮テストを含む指導:テストを出してもらい、自分の理解度を試す。
⑯モデルへの役割割り当て:モデルに特定の役割を割り当てる。
⑰デリミターの使用:特定の区切り文字を使用。
⑱繰り返しの使用:特定の単語やフレーズを複数回使用。
⑲思考の連鎖:中間ステップを生成し、事例を組み合わせる。
⑳出力プライマーの使用:期待される出力の始まりでプロンプトを終える。
㉑詳細なテキストの作成指示:「詳細に書いて」と指示。
㉒スタイル変更の防止:「スタイルを変更しない」と指示。
㉓複数ファイル対応のコーディングプロンプト:複数のファイルにまたがるコーディング作業の効率化のために、自動的に新しいファイルを作成し、生成されたコードを適切なファイルに挿入するスクリプトの作成を提案。
㉔特定の言葉で続ける:「与えられた言葉で完成させて」と指示。
㉕モデルの要件の明示:コンテンツを制作するためにモデルが守らなければならない要件を、キーワード、規定、ヒント、指示などの形で明示。
㉖サンプルに基づくテキスト作成:サンプルと同じ言語で書くよう指示。

 かなりのテクニックが研究されてますね。

僕が体感した「使える原則」①-③

 ここからは、僕自身の使った実際の例を用いて、かつ、僕自身が「これは使えるよ」と体感しているものをに絞って、これから、何回かに分けて、説明します。

①礼儀を省く:「お願いします」などの礼儀用語は不要→×僕は、必ずしもそうは思わない(+実例)

 これについては、僕は、必ずしもそうは思いません。礼儀というより、感情プロンプトと呼んでいますが、Chat-GPTを励ましたり、ほめたり、するのは、有効な場合「」あります。

 以前、感情プロンプトの記事を書きました。

 僕の経験からは、少なくとも、日本語のChat-GPT4においては、礼儀用語は、入れておく方がいいと思います。正確には入れておくと、性能が上がる可能性がある、ということです。

 僕は、Chat-GPTを使う時に、指示や、質問を入力した後で、最後に以下のような文章を入力します。

 「・・・。では、ご回答をよろしくお願いします!」
 「...。君なら、もっと回答ができるから、頑張ってね」

 お願いします、だと、効果はほぼないのですが、お願いします!といった感じで「!」を最後につけると、丁寧な回答、より長い回答が返ってくることが多いです。

 Chat-GPTとのやり取りに「礼儀正しくする」と、Chat-GPTは、僕のことを、かなり知的レベルの高い人、と認識して、よりレベルの高い回答を意識して出力するようです。


②対象者を明示:「専門家向け」など返答を受ける対象者を明示→◎最重要ルールだと思う(+実例)

 以前の記事でも書きましたが、Chat-GPTとの会話は、初対面のコミュ障の人との会話に似ています。初対面なので、Chat-GPTは、僕たちが何者か知りません。

 人間同士なら、自己紹介から、会話を始めますが、Chat-GPTと話すときも一緒です。Chat-GPTは僕たちが、どんな知識を有し、どんな興味があり、なぜ、Chat-GPTと会話しようとしたのか、がわからないと、僕たちと上手に会話できません

 ですので、僕たち=対象者を簡単に、自己紹介ながら、説明したほうが、明らかにいい回答が引き出せます。

 例えば、

・僕はXXで
・XXの理由でXXが知りたい
・でもXXについての知識はXX程度
・理解力はXX程度
・それを前提に、会話して下さい

 と最初に入力しておくと、その後の会話が円滑になります。

 要は、最初に、僕は、こういう人なんですよ、と宣言していくと、欲しい回答が得られやすくなります。これは絶対なので、26のルールの中でも一番大切なルールだと思います。

 必ず実行することをお勧めします。


③複雑なタスク分割:複雑なタスクを簡単なプロンプトに分ける→〇(+実例)


 これは、⑫の『⑫先導的な言葉の使用:「ステップバイステップで考えて」と指示。』とセットで意識するといいのですが、お願いすることを、あれもこれも、詰めすぎずに、分割して書くほうがいいということです。

 改善すべき例から、挙げてみます。

「最近の流行りの言葉を使って、子供が元気になるような歌詞を、英単語もいれつつ、おしゃれな感じで、でも、面白いとも感じるような、聞いて喜ぶような感じで、今のトレンドにそった形で、女性歌手が歌うのを作ってよ」

 と指示をしても、Chat-GPTは混乱するのです。

 なぜなら、そもそも日本語は英語と違って、主語と述語、接続詞が複雑にからみあって文章が構成されます。それがAIには非常にわかりづらいのです。

 上記のことをお願いするなら、

次のような歌詞を作って下さい。

①女性歌手が歌いそうなもの。女性が作詞したと感じるもの。
②流行りの言葉、最近よく歌詞で使われるような言葉を使う。
③子供向け。
④英単語もいくつか入れる。
⑤面白く、聞いて、喜ぶもの。

 と書くと、Chat-GPTはきちんと理解して、それっぽい歌詞を作ってくれます。日本語は文章の区切れが分かりにくいので、分割して、番号なり、箇条書きで入力するのがコツです。

次回に続きます。



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