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300円雑記【水のような言葉】

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2018年10月の記事一覧

あれは何やろな?【三重県のルーブル彫刻美術館】

あれは何やろな?【三重県のルーブル彫刻美術館】

近鉄線で奈良から名古屋方面に向かう時に三重の山中でギョッとする光景を目にすることがある。

特急も一時間に一本だけ停まる"榊原温泉口駅"の北側だ。
特急がとまらない時は一瞬だけその姿を拝むことができるし、とまった時は思わず電車から降りて確かめたくなる。

・・・

『あれは何や?!』

サモトラケのニケとミロのヴィーナスが並んでいる。
そして目の錯覚かもしれないが自由の女神もあるではないか。
幻で

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アメリカンドッグの話【雑談】

アメリカンドッグの話【雑談】

あの"へにょっ"としたソーセージが良いのだと思う。

◇◇◇

夏に食べる市民プールでのアメリカンドッグは庶民的な喜びがある。水で冷えた身体にバスタオルを羽織り、炎天夏のプールサイドで行儀悪くモグモグ食べるあの味はジャンク的な食べ物の喜びを5歳の娘に教え込んだ。

あれから3ヶ月ほど経ったけど、

娘からはそれ以来たびたび「アメリカンドッグ買って」とせがまれることが多くなった。

そんなわけで今日

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たった一枚の木の板をひたすら磨くということ。それは人の手で赤ちゃんのお尻の肌触りを産み出すということだ

たった一枚の木の板をひたすら磨くということ。それは人の手で赤ちゃんのお尻の肌触りを産み出すということだ

木工を趣味とする人間が一度はあこがれるもの。
ダイニングテーブル。
単純な構造でありながら奥が深い。
そう、あれはただのテーブルなどではない。
家族の中心に位置する神聖な天板である。
その姿は艶やかでずっしりしている。大物である。
基本的には本職の人が精魂込めて作った物を買うべきである。
けっして趣味でつくってはいけないのだ。

普通は「作りたい」といった時点で妻から反対されるものである。
想像し

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ピコ太郎の果てに何があるのか

ピコ太郎の果てに何があるのか

先日流れてきたとあるブログを今あらためて眺めている。
ちいさな子を持つ一人の父親として。
微力ながらも文章を書き始めた一人の人間として。

やっぱり涙がこぼれ落ちるよね。

読み終わる前に古坂さんの肩を抱きしめたくなる。
たまにあるんだ、こういう文章が。
「全部言わなくても伝わっているよ」
こう声をかけたくなった人も多いんじゃないかな。

そのブログには人生のにがさの機微が閉じ込められていた。

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