趣味でロシア文学を読んでいたある日、イヴァン・ブーニン(1870〜1953)のこんな詩を見つけた。
(原文は最後に載せておくので誤訳があれば指摘してください)
ブーニンらしいロシアの風景を詠んだ静かな詩だ。これを読んだ時頭に思い浮かんできたのは、高校の古文の授業で読んだ和歌のことだった。
雁は北半球北部で繁殖し、寒さの厳しい冬を温帯域で過ごす渡り鳥である。
秋の訪れを匂わせながらロシアを飛び立った雁の群れは、日本に降り立ってこちらでも秋の訪れを告げる。
平安時代の日本と19世紀終わりのロシア。時間も空間も遠く隔たった二つの詩を、まさに越境して雁という渡り鳥が繋いでくれたことに、なんとも言えない面白さとロマンを感じた。
ここまで読んでいただきありがとうございました。