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マイクロノベル集 339「七夕のお話」

No.1851
この短冊を書いた人を探しているんだ。この願い事のおかげで僕は命を救われたんだよ。でも、時間と場所がわからないから、時を遡ってすべての短冊を調べているんだ。君の名前は? ああ、プリキュアになりたいみっちゃんだね。痛い、痛い。キックしないで。


No.1852
妻と逢うはずが、舟が流されて知らない島に。ここはどこです? 英雄の魂が眠る島、ですか。その手に持つ輪っかは? 忘却の冠……? 彦星が外の世界のすべてを忘れ、憎しみに駆られた織姫が八つの頭を持つ悪龍を打ち倒し、島を焼き尽くすのは百年後の話。


No.1853
ポケットの中の物を出しなさい。水筒か。カラカラ音がするね。なにが入っているのかね? 「氷だと思う」自分でわからないのか? 「今夜は七夕だから、天の川を見ていたら空から降ってきたんだ」そりゃすごい。「牛の形をしてた」すぐに出してあげなさい!


No.1854
天の川ってさあ、たくさんの星の集まりなんだって。どうやってこんなにも丸い星がいっぱいできたんだろう。きっと川の上からゴツゴツした原子が流れて、削れて、何年もかけて丸くなったんだろうね。あ~、こいつはそろそろ寿命だな。石切りして遊ぼうぜ!


※noteだけで読める、このマイクロノベル集の続きはこちら。




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