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マイクロノベル集 293「苺パフェ狂想曲」

No.1611
なんだろう、このいい匂いは。「それはわたくし。美しく、そしておいしい苺パフェです」なんということだ。公園にパフェが生えているぞ。まさか自然発生したのか? いけない、匂いにつられて人が集まってきた。パフェを隠せ! 「食べられたい」まだ早い!


No.1612
とりあえずスーパーの袋をかぶせて事なきを得たぞ。このパフェを慎重に調べなくては。「ぼくにも協力させて下さい」あなたは何者です? 「パフェに詳しいダイエッターです」しかし、万が一これを食べてしまったら……。「そのときは太るだけです」格好いい。


No.1613
ふう。パフェの一部……苺とクリームを確保したぞ。分析しなくては。「それは私がなんとかしよう」あなたは? 「かつて苺パフェにとりつかれたパティシエだ。食べただけで苺の産地がわかる。ぐはっ!」ああっ、一口で倒れた! 「……おいしい」しっかりしろ!


No.1614
いまこの瞬間、我々は未知の苺パフェのコピーに成功した! ダイエッターが確保したサンプルとパティシエの技術が合わさり、疑似苺パフェが完成したんだ。偽物だけど味は同じだし、カロリーオフ。実に素晴らしいね。ところで、オリジナルはどこ行った?


※noteだけで読める、このマイクロノベル集の続きはこちら。



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