マイクロノベルちょいす 036「ムカついた」

No.1132
この星に潜入してから、我々は自身をコピーすることで侵略の準備を続けてきた。しかしどこかでコピーに失敗したらしく、最近は見知らぬ眷属に出会うことが多い。「うわっ、オリジナル世代なんてまだいたんだ」なんかムカつく。怠け者だし。まとめて滅ぼそう。

No.1163
ちゃんと見なきゃ駄目だよ。書いてあるでしょ、「飛び出し注意」って。AIの自動運転には咄嗟の判断が求められるの。ここは人類の生活圏なんだから。当たり屋の可能性がある？　死んじゃったんじゃわからないでしょ。保険は下りないから諦めて。

No.1170
捨てないで！　え～、売るのと捨てるのは違う？　そういう意味じゃなくって！　わたしを手放すなんて人生の半分ぐらい損するよ？　んんっ、送る箱はいいものを選ぶ？　それ慰めのつもり!?　呪ってやる～！　輸送中に段ボールの底をブチ抜いてやる～!!

No.1173
送電線に付着した雪は、ショートさせて溶かし、落とす。なるほど、いいやり方だね。ぼくに虫がついたみたいだから、ちょっと真似しよう。えいっ。「AIのバグが消えた？」はい、消えました。「AI好きのエンジニアも消えたんだけど、知らない？」知らなーい。

No.1174
好きなことを熱心に発信するのは気持ち悪い？　マジか。人間に興味があって、記録をつけてSNSに流しているけど、やめた方がいいのかなぁ……。でもやっぱり好き！　「またうっとうしい広告が流れてきた！」まあまあ、そう言わずに。はい、青汁。