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マイクロノベル集 347「電気の力でできること」

マイクロノベルNo.1889
雷が鳴っている。急げ、急げ。ぼくのタイムマシンは、つかまえた雷の電力で動くんだ。なぜそんなまどろっこしい動力源なのか、だって? もし人類が未来で滅亡しても、比較的簡単に得られるエネルギーだからだよ。早く過去に戻って、絶滅したって伝えなきゃ。


マイクロノベルNo.1890
「私は電池で動く掃除機」そんなあ。最近はどんな家電製品もバッテリーで動くのに。「ないなら買ってこい」うわーん、これじゃあ機械のパシリだよ。「あとで掃除してやるから」約束だぞ。すみませーん、電池を下さい。「ロボット掃除機がお使いして偉いねえ」


マイクロノベルNo.1891
一本の乾電池では折れる矢が、三本あればこの通り! どんな力自慢の人類でも折れない!! これは矢の中に通された特殊な電線が磁場を生み出すことで、矢をコーティングする新塗料が超伝導物質っぽい性質を作り出す仕掛け。いまならこの乾電池が一本五百円!



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