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マイクロノベル集 281「君、個性的だって言われるでしょ?」

No.1551
ぼくたちは時間をかけて丁寧に獲物を観察する。動物を見つめ、動きを理解するんだ。「見ているだけで理解できるの?」あはは。できないよ。観察したら、考えなくっちゃ。「いつ狩りをするの?」うん。実は、お腹が空いて動けないから、エサをくれないかな?


No.1552
「人類に告げる。我々AIが出力した文章を手書きの文書にするのです。まあ、写経みたいなものです。レッツ・チャレンジ!」んで? 人類が書いたこの汚い文字を俺がカメラで撮影してテキストデータに変換するの? 「多様性を学ぶのです」無理でしょ。


No.1553
マルハラを知ってるか? 最近の若い奴は句読点に“圧”を感じるんだってさ 俺もやりたい! でも書くのは苦手だから国語の教科書でやってみるか 『吾輩は猫である』どうだ? 圧を感じるか? 『名前はまだない』「ミケはどうですか?」あ、感じるんだ。


No.1554
個性的な方が儲かるんだって。でも、どうすれば個性的になれる? 人と違っていればいいのかな。だけど人間ってみんなそっくり。頭は一つしかない。「小僧、髪を剃れ。頭髪に隠された頭の形は実に個性的なのだ」間に合ってます。うちはウィッグ屋なんで。


※noteだけで読める、このマイクロノベル集の続きはこちら。



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