マイクロノベル集 318「君の名は。」
No.1741
「ずっと一緒にいるって契約したじゃない!」橋のたもとで愁嘆場が繰り広げられていた。あんなに縋り付かれるなんて、妬ましい色男がいるもんだな。SNSで拡散してやろう。スマホをかざすとアプリが反応した。『悪魔:モチベーション』「俺と契約して!」
No.1742
ぼくはぬいぐるみのくまさん。でも実はスパイなんだ。ミキちゃんが王子様に相応しいお姫様かを見極めるのさ。という設定をミキちゃんに与えられた。「お尻の下に物を隠すのが上手ね」スパイだからね。「あなたスパイなの?」えっ、もう設定が変わったの?
No.1743
うちのヨーグルトってちょっと変じゃないかな。すごくドロドロしてる。普通はもっと固いでしょ? 「それはスーパーで売ってるヨーグルト。家で作るのはこんなものだよ」お父さんは笑ってる。お姉ちゃんも。でも、本当かな。あしたヨッちゃんに訊いてみよう。
No.1744
風邪をひくのが愛らしい魔女や美しい天使なら絵になるけど、悪魔じゃあ格好がつかないな。ごほんごほん。うおっほん。咳をしても悪魔。「誰かにうつすのがよいと神から聞きました」君は元気になったものね。「神のご加護があらんことを」これ以上いらない。
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