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『りゅうおうのおしごと!』を読んで

たましいの、どうこく

言葉に認めるのも、生温い。

何故架空の人物に殺意を抱かねばならない。何故ライトノベルに打ちのめされねばならない。何故だ。何故。

ロリコンではないと明言はしよう。おっぱいが大きなお姉さんが好きだから。だのに、何故か。文中にツッコミを入れている内に持っていかれた。

『りゅうおうのおしごと!』

つい最近までアニメになっていたので、見聞きした方は多いだろう。現実の将棋界がえらいことになっているのもあり、注目度が相乗効果を起こしたとも聞いている。アニメ終了後に1巻を購入したので、私も新参である。敢えて一言で言おう。

金沢カレーだった。

物書きのくせに読書グセが今ひとつの私が、『続きを読みたい』と思った。2巻がなかったので、最新巻を買ってしまった。そこに、私を焼き殺す罠が待っていた。

表紙の流麗さは文字通りの表面。その内側は。非才を慟哭させるに足る熱さ。そして——やがて気付いた。

このライトノベルは。不器用な連中の輪舞曲なのだ。

いや、器用な者も居る。居るには居るが。主人公が将棋以外絶望的なのだ。ついでに言えば幾ばくかの事情で、その将棋に関してはどんなに隣にいても薄皮一枚届かない。そういう構造になっている。故にヒロインたちは人知れず、突き破らんとする。(その後更に2、6巻を買ってしまったのでちょっと入り混じってるかもしれない)

ともかく、私は打ちのめされた。この熱さを、今の自分には切り取れない。届かない。文章の世界は若さじゃないけど。もっと若い頃から向き合っていれば。ここ数日。狂おしいまでに頭からかの書が。離れてくれない。故に、褒め言葉として。感情移入の証として。一言残したく思う。


九頭竜八一、頓死しろ。

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南雲麗
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