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絵本から学んだ。私はプリンとドラマとランチに支えられているのだと。

『かみはこんなにくちゃくちゃだけど』
ヨシタケシンスケ/白泉社


【この本の構成】
左ページ=〇〇なの(本人の希望や嬉しかったこと)
右ページ=〇〇だけど(否定的な内容)

【例】
左「いつかかしゅになりたいの」
右「かみはこんなにくちゃくちゃだけど」

という感じ。
このペースでずっと進んでいきます。

その中でも私がとくにお気に入りだったものを3つ紹介します。


第3位

「かんごしさんとしゅみがいっしょだったの」
「ぜんち3かげつのおおけがだけど」

お気に入りポイント

アンラッキーな状況に陥ったからこそ得られたものってあったりしますよね。
大失恋したからこそ、もっといい人に出会えた。
お目当てのお店が臨時休業だったからこそ、急遽入った隣のお店が意外とおいしいことを知った。
など。

アンラッキーなことは起きないに越したことはないですが、せっかく起きてしまった以上、その状況だからこそ得られたものに目を向けたいですね。

第2位

「おみくじで大吉がでたの」
「なにがどうよくなるのかぜんぜんイメージできないけれど」

お気に入りポイント

ここで重要なのは、
「なにもいいことは起きないけれど」ではなく、
「なにがどうよくなるのかイメージできない」というところ。

普通だったら、
「宝くじが当たる」
「素敵な恋人ができる」
「憧れのアーティストのライブに当選する」
など、無数に出てきそうです。

しかし、この絵本の人物(中年の男性)はそういうイメージができない。
なぜなのでしょう。

この人は欲がないのかもしれません。
この人は今十分に幸せなのかもしれません。
この人はこれまでたくさんのことをあきらめて生きてきたのかもしれません。

正解はわかりません。
それでも大吉が出たのは事実。
そこに意味があるのか、ないのか。
誰にもわかりません。

第1位

「きょうはれいぞうこにプリンがはいってるの」
「せけんはくらいニュースでいっぱいだけど」

お気に入りポイント

一番「わかるー!!」となりました。
この人物がOLというのも親近感ありありです。

冷蔵庫のプリン。
ドラマの続き。
来週の友達とのランチ。

こういうものが私を支えてくれています。


世間の暗いニュース。
仕事のストレス。
誰にも言えない悩み。

そういうものが日々
絶えることなく
解決することなく
もやもや~っと
ぬめ~っと
いつも頭のどこかにいるんだけども、

プリンとドラマとランチが私を守ってくれているのです。

まとめ

ヨシタケシンスケさんは、私の好きな絵本作家さんナンバーワンです!!
イラストはシンプルなのだけど、少ない線の中に豊かな感情がお茶目にあふれ出ています。
そしてなんと言っても内容が面白い。
優しい言葉を使っているのだけど、読み終えると深く心に残るし考えさせられます。

年齢に関わらず楽しめる絵本ばかりです。
ぜひ1冊でも読んでみてください♪



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