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小説「クライオジェニアンの手紙」
【あらすじ】
地質学の研究所に勤める倉部が学生時代に見つけた不可思議なガラス質の物体が、超古代クライオジェニアンの頃のものだと分かり、しかもそれに文字のようなものが書かれていたことで、彼の研究チームは世界的な注目を浴びる。
これは世紀の大発見をした若き研究者が、人間関係を苦手としたことで思いもよらない結末を迎えることとなった、サイエンス・ミステリである。
【備考】
・本作はエブリスタ超・妄想コンテスト「忘れもの」応募作品です。
・コンテスト期間終了後、非公開になる場合があります。
【データ】
文字数:8000字
バージョン:v1.1.1
公開日:2022.12.23
更新日:2022.12.23
【リンク】
[エブリスタ]
[小説家になろう]
[カクヨム]
[アルファポリス]
【作品冒頭】
わざわざホテルの小ホールを会見の為に準備したのに、既に報道陣だけで部屋の密度が高かった。倉部健人は「会見はリモートでなら」と研究所の所長に伝えたつもりだったが、どうやら彼の英語を解する能力に欠けていたらしい。見たこともない大きなマイクが台の上に並び、左右の席にはそれぞれ通訳の女性と臨時助手を務めるジョセフが控えている。彼は濃い金色の髪を掻き上げながら倉部を見て、薄く笑みを浮かべた。
今日の倉部の仕事は全世界が注目する論文の内容を、出来る限りセンセーショナルに発表することだけだった。
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