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小説「私たちの残り火〜アラフィフの私に火をつけたのはかつてネットで疑似恋愛をしていた青年でした」

【あらすじ】
主婦の浅野海月は友人に誘われたキャンドル教室で、鳥井祐二と出会う。しかし彼はかつて海月が娘の名を使ってネット上で恋愛をしていた相手だった。こうして運命の再会をきっかけとしたかつての恋愛の残り火が、再びくすぶり始めるのであった。

【備考】
・本作は「私たちの残り火」に加筆・修正した作品です。
・本作は双葉社女性向けマンガ原作賞応募作品です。
・コンテスト期間終了後に作品が非公開になる場合があります。

【データ】
総文字数:約155000字
バージョン:v1.2.1
公開日:2022.9.11(オリジナル版2018.10.31)
更新日:2022.10.1

【リンク】
小説家になろう
エブリスタ
カクヨム
アルファポリス
ノベルアッププラス

【作品冒頭】

 七部丈の袖の部分がふわりと膨らんだブラウスだったけれど、集まった人の多さの為か、脇の下あたりがじっとりと肌に張り付いてしまっていた。店に入った時はまだ雨が降っていなかったが、ニュースでは今日にも関東地方の梅雨入りが発表されそうだと言っていたことを思い出す。
「ねえ海月(みつき)、あのスタッフの子、ちょっとかわいくない?」
 キャンドル教室に誘ってくれた榊友理恵は大学時代から変わらないくりっとした瞳を向けて、私に耳打ちをする。
 教室はアロマキャンドルを売っている店舗の奥の小部屋で行われていたが、主催者らしい男性が袖をまくり上げて逞しい二の腕を見せて、ホワイトボードに蝋燭の作り方の基本を書いている。その周囲で準備に忙しなく行き来しているのが、友理恵が言った“あのスタッフの子”だ。

小説「私たちの残り火〜アラフィフの私に火をつけたのはかつてネットで疑似恋愛をしていた青年でした
」第一章より

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