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来たチャンスを掴める実力を培うこと『だが、情熱はある』最終話を迎えて

派手さはないけど、心の機微を見事に丁寧に描いた素晴らしいドラマが昨夜最終話を迎えました。演者、脚本、スタッフ陣、ドラマに関わる全ての人たちから愛が、情熱が伝わる、そんな作品でした。

先日は、外的要因に自分の幸不幸を左右されない春日さんへのあこがれを徒然なるままに書きましたが、今日はこの作品を通して私が感じたことと、この物語(特に作中の若林)に重なったSixtonesについて書きたいと思います。

Sixtones?
確かに森本君は主役の一人だけど、何故に。
そう思われるかもしれません。
ただ最終回を見終わってこの物語の主人公若林と山里の姿が、私にとってはSixtonesと重なる部分がありました。

主題歌<こっから>は、この物語の主人公である若林と山里の二人を表している主題歌であることは勿論、ビジュアルも才能も恵まれて早くに突き抜けそうだったのにデビューに時間を要したSixtonesが歌うことの意味を感じました。
歌唱力、体幹、世界観を魅せる力、そして普通のスタイルの人が来たら事故りそうなスタイリングをオシャレに着こなせるビジュアル。Sixtonesにしか出せない世界観でSixtonesの歴史と実力だからこそ説得力のある仕上がりになったと思います。

断っておくと、私はそれほどSixtonesの深いファンという訳ではないです。ただ、割と昔から知っていてひそかに応援している、くらいの人間です。

私がSixtonesのメンバーを知ったのは、
Sixtonesが結成されるよりも前
バカレア組が結成されるよりも少し前のことです。

当時私は10代で、父の仕事の都合で海外に住んでいました。

現地で見れる日本のテレビはNHKとBS放送のみ。そんな私にとってザ少年俱楽部は、同世代の子たちが努力し頑張っている姿が見れる唯一の番組でした。
なので、もともと特段ジャニーズが好きというわけではなかったけれど、ザ少年倶楽部は必ず見て少しずつ詳しくなっていきました。

当時Jrの中で早くしてソロでの活動経験もあった森本君は特に別格扱いだったけれど、
他のSixtonesのメンバーもそれぞれ間違いなく目立っていてバカレア組が結成されたときは10代にしては完成された端正なビジュアルとスタイル、オーラに「次この子達が絶対にデビューするに違いない!」と勝手に確信していました。

その後大学入学のタイミングで私は帰国し
どちらかというとアニメや声優の界隈にお邪魔していたのでしばらくジャニーズ自体を深く追ってはいなかったのですが、社会人になってジャニーズ大好きの先輩と仲良くなったことをきっかけに再度嗜む程度にジャニーズを応援するように。
ちょうどキンプリがデビューするタイミングでした。

その時「あれ、バカレア組の子たちは?」と思ったのです。私の見立てでは、当時の勢いでいうと数年前にデビューしてておかしくないはずだと思っていました。そう思っている内に今はSixtonesというグループになっていることを知り、毎週金曜日のYoutubeの更新を楽しみに待つようになりました。

パフォーマンスを見るたび、
「デビュー組と遜色ないのに、いつデビューなのだろう」と思っていました。

そして2020年、満を持してデビュー。
その時も、そのあとも遅すぎるくらいだと思っていました。

でも今回『だが、情熱はある』を見てふと思いました。

オードリーはM1の決勝に出て売れるまで8年かかったけれど、その8年で培った若林さんの確かな実力と春日さんの目の前のことに手を抜かず全力で頑張る姿でその後15年経っても芸能界の一線を走り続けている。もし、芸歴数年でぽっと売れてしまったら、今のオードリーとは違っていたかもしれない。

Sixtonesは10代の頃からアイドルとしての素養に優れていたけれど、10代でデビューしていたら今のようなモチベーションで、「こっから」を私たちに届けてはくれなかったかもしれない。

長い下積み自体にいろいろな思いを抱えながらも
実力を培い続けた結果、アーティストと遜色のないパフォーマンスとなり、グループとして活動することの意義、メンバーに対する相互の愛を強く持ってくれているのかもしれない。そう思うと、デビューは結果的に素晴らしいタイミングだったのかなとふと思いました。

私自身も『だが、情熱はある』とシンパシーを感じる経験をしたことがあります。10代の頃に海外に引っ越して、すべてが外国語で行われる学校で「わからなければ置いていかれる」ドライな文化の中、最初の1年はどんなに予習復習をしても授業の内容がわからず、寝ずに勉強しても赤点を取ってしまう毎日。あの時の自分が窓にエクレアを投げつけた若林と重なりました。

同じタイミングで日本から来た子も数人いたのですが、その中でも私は要領が悪く、6~7割わかればなんとなく外国語で意思疎通のできる友人たちとちがって、10割理解できないとうまくコミュニケーションが取れない。
能動的なプレゼンや意見出しが求められる授業でもうまく受け答えが出来ませんでした。

いつ明けるかわからない暗闇の中を毎日毎日歩いているようで、それでも涙を流しながら勉強を続けていたら1年半経った頃、ある日突然すらすらと言葉が話せるようになり、課題で求められている要点がわかるようになりました。それからは毎期、成績優秀の表彰が取れるようになりました。もしも私が要領の良いタイプだったら、これほどがむしゃらに勉強し続けることはできなかったと思います。
人よりも時間をかけて学び、「なぜ結果が出ないのか」を研究したからこそ、それが理解できた時には私の中に確かな実力となっているものがありました。

それでも闇の中を努力し続けるのはつらかった。
『だが、情熱はある』は若林と山里の二人の半生を通じ、そんな私の過去の気持ちも浄化してくれる物語でした。

目の前にチャンスがすぐ転がってるとは限らない。

でもチャンスが来た瞬間、「やれます」と言えて、実力を発揮できる自分であるように、今日も私は私を磨き続けたい。

闘志を燃やして、がむしゃらに努力して、挫折して、それでも情熱を燃やし続ける、夢と両想いになる為に。

素晴らしい作品に出合わせてくれた、演者の皆様、スタッフの皆様に感謝を

追記:勿論ですが、私はキンプリもとても応援しています。ただ、同世代のSixtonesは私にとって苦労した10代の時に元気をもらった存在なので、思い入れがあり今回はフォーカスして書かせていただいています。

注釈:作中の役名は敬称略で書いています。

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