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[自分の中に毒を持て]岡本太郎

なんとなく手に取った本のタイトルに惹かれて1ページも試し読みする事もなく引き寄せられ、家に着くなりどっぷり岡本太郎の世界に浸かった。本を読み終えて僕の直感は間違いじゃ無かったと確信に変わった。

本の読書感想はあまり得意じゃないけど読みっぱなしにしたくなかったからnoteに綴ることにする。

この本は人間としての在り方や、人間らしさをひっきりなしに思い起こさせてくれるそんな本。岡本太郎と言う世界的に有名な芸術家であり1人の人間としての言葉が沢山綴られていて、まず冒頭の言葉から僕の固定概念を壊された。

「人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う。」

さらに、財産や知識を蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失い過去の蓄積物にこだわると、過去に埋もれて人間は身動きがとれなくなる。と言う。

僕は知識の積み重ねで人間は大人になるものだとずっと思っていたけれど、積みへらすべきだと言う人を初めて見た。

言われてみれば人間は大人になるにつれて知識が増え、何か行動する時に無駄な出来ない理由を考えすぎて行動に至らない事が多い。僕も歳を重ねるにつれて行動に移せない事が多くなっている気がする。

この情報社会でTwitterを開けば要らない情報まで頭に入ってきてしまうが故に人間は知識だけが増え人間らしさを失いつつあるのかも知れない。

さらにこの本で岡本太郎は何度もこんな言葉を読み手に投げかけてきた。

現代の人間は本当の意味で生きていると言えるのか?

毎日当たり前に仕事に行き仕事をこなし、家に着いて疲れを取る。これが本当に人間らしく生きていると言えるのだろうか?

僕もそんな日常を当たり前に過ごしてしまっている。そんな日常に変化をもたらしたい!何か自分の情熱を注ぐ場所がこのnoteにある気がして拙いなりに言葉を紡いでいる。

言葉を紡ぐ事は自分と対峙する事にも似ているかも知れない。過去、現在のもう1人の自分と会話をして納得できる言葉を探し此処に生み出す。誰かから見れば何でもない言葉のnoteかも知れないが、僕は生きがいにすらなりつつある大事な時間なんだ。


驚くことに初版発行は1988年だと言うのにも関わらず現代の日本の現状と何も変わっていないように感じる。岡本太郎さんは人が発言したがらない事にもあえて発言する事が多かったと言う。そのたび叩かれる事も多かったそうだ、出る杭は打たれるように少し変わった発言をすれば、ここぞとばかりに叩く様は今のSNSのようだ。

今の時代に生きる僕からすれば少しは良い時代に変わっている部分を文章の中から見つけ出したかった。科学技術は確かに進化しているが、人間はどうだろう?知識だけが増え人間らしく生きる人は少ないように思うし、僕自身も人間らしく生きられているのか正直微妙だ。

この本を読んだ事をキッカケにもっと自分の人生に真剣に素直に向き合っていきたい。
それがもしも、しんどい道だったとしてもその方が面白いと思えるユーモアを持っていたい。

この本の中の言葉の

いのちを賭けて運命と対決するのだ。そのとき、切実にぶつかるのは己自身だ。己が最大の味方であり、また敵なのである。

この言葉をぶら下げて僕はどこまでも人間らしく自分の人生に賭けてみたいと思った。

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